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80.身代わりの3人 ページ31

「ちょっ、テメーらいい加減にしやがれ!!」

ぎゅうっとしがみついて離れない彼女たちに宇髄さんが叫んだ時、後ろから声がした。

「女の子に何してるんだ!手を離せ!!」

その声に全員で動きを止めて声の主を見た。

「た、炭治郎くん!」
「人さらいです〜っ!助けてくださぁい」

きよちゃんが泣き叫ぶ。

「この馬鹿ガキ!」

怒鳴った宇髄さんに炭治郎くんが飛び込んだ。

瞬間、上へ飛び退いた宇髄さんと共に私とアオイさん、なほちゃんの体も上へぐんっと引っ張られる。

「きゃあ!」

どさどさっと音がして振り返ると、カナヲや炭治郎くんたちが倒れ込んでいた。

「大丈夫!?」ときよちゃんに声をかけた炭治郎くんに泣き叫びながら返事をしている。

「愚か者。俺は“元忍”の宇髄天元様だぞ。てめェの鼻くそみたいな頭突きを喰らうと思うか」

屋根の上に飛び乗った宇髄さんが炭治郎くんを見下ろして告げた。

「じゃあ、元忍の宇髄天元様?放してください?」

聞けば宇髄さんが私を見る。

「んでそうなんだよ!」

「Aさんたちを放せ!この人拐いめ!!」
「そーよ!そーよ!」
「変態!!変態!!」

口々に言う炭治郎くんたちに宇髄さんが声を張り上げる。

「てめーら!誰に口聞いてんだコラ!!俺は上官!!柱だぞこの野郎!」

いや、確かにごもっともですけど。

「柱だからってこれは酷くないですか?」

言えばギラッと睨み付けられる。

「あぁ!?」
「ひぃっ…」

「お前を柱とは認めない」

炭治郎くんがむっと口元を膨らませる。

「お前が認めないから何だよ!?こんの下っぱが!俺は任務で女の隊員がいるからコイツら連れてくんだよ!継子じゃねぇ奴は胡蝶の許可を取る必要もない!!」

「なほちゃんとAさんは隊員じゃないです!隊服着てないでしょ!!」

「じゃあいらね」

ぺっとなほちゃんが放り出される。

「なほちゃん!」

呼べば次の瞬間には炭治郎くんに抱き抱えられていた。

ほっと一息付く。
これで私もきっと解放されると思ったのも束の間。

「でもコイツらは任務に連れて行く。Aは時透の許可も取れてるし、役に立ちそうもねぇが、こんなんでも一応隊員だしな」

宇髄さんの言葉にアオイさんが何かに怯えたような表情で冷や汗をかいている。

「人には人の事情があるんだから無神経につつき回さないで頂きたい!代わりに俺たちが行く!!」


いつの間にか善逸くんと伊之助くんが塀に上って私たちを挟み込んでいた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:月見 | 作成日時:2020年10月11日 5時

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