68.夢の中のあの人 ページ19
日差しが温かくていつの間にかうとうとしていた。
その間に夢を見た。
無一郎くんがいて、居間でご飯を食べている。
「美味しかった」とお茶を飲んだ無一郎くんがぽつりと呟いた言葉に私が困惑してる。
「だから、美味しかった。…不味かったかって聞いてきたでしょ?」
“美味しかった”の一言に心が暖かくなる。
この感じ、懐かしい。
場面が変わる。
庭で男性2人が何やら勝負をして暴れていて、目で追いきれない速さの勝負を心配して声をかける私。
すると斬撃が流れてきて、目を瞑るけれど何も起こらない。
「ねぇ、いつまでくっ付いてんの?」
顔をあげると目の前に綺麗な無一郎くんの顔があって、じっと私を見つめるその目が綺麗で吸い込まれそうだ。
彼の胸元にしがみついていることに気が付いて、あまりの近さに慌てて離れて。
恥ずかしくて、赤い顔を両手で押さえて隠して………
あのときは、すごくドキドキした。
なんて、これは夢でしょ?と自分に突っ込む。
また場面が変わる。
机にお茶やおにぎり、そしておはぎやだんごといったお茶菓子を私が並べている。
何やら顔を布で覆った人たちや、無一郎くんとあと2人、さっきの夢で勝負していた男性たちがいる。
「無一郎くんの好きな食べ物って何ですか?」
あむっとおにぎりを頬張っている彼に私が質問した。
「それ聞いてどうするの?」
「今度作ります!」
興味が無さそうだった無一郎くんの視線が私を捉えて「………ふろふき大根」と答えた。
「分かりました!楽しみにしててください」
それを聞いて私が嬉しそうに張り切っている。
どれもすごく幸せな気持ちになる夢だ。
でも本当にこれは夢?
「─?───A?」
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作者名:月見 | 作成日時:2020年10月11日 5時