94.炭治郎の意識 ページ45
「意識戻ってんじゃねーか!!もっと騒げやァァァ!!!」
「ご、後藤さん落ち着いて!」
「オメーは本っ当にボーッとしてんな!人を呼べっつーうの!!!馬鹿野郎が!!」
後藤さんの暴れようにあわあわしだすカナヲ。
「みんな心配してんだからよ!上とか下とか関係ねーからな!今だけは!!」
入り口に駆け出す後藤さんは廊下に向かって「炭治郎意識戻ったぜぇぇぇ!!!」とアオイさんたちを呼び出した。
*****
「わーん」と嬉しさのあまり泣きわめく蝶屋敷のきよちゃん、すみちゃん、なほちゃんの三人娘たち。
炭治郎くんを囲んでベッドの上に乗ったりもたれたりして各々が話し出す。
「良かったです〜」
「あんぱんあげます〜〜」
「カステラ落ちてる〜」
なほちゃんが言うように、高級菓子のカステラは残念なことに掛け布団の上に落ちている。
勿体ないと思いながら、私は落ちたカステラをお皿に乗せる。
ドドドドドッと廊下から誰かの足音が近づいて来る音がした。
そちらへ目を向ければ白い塊が部屋に飛び込んで来た。
「きゃー!!!」と私と三人娘の声が響く。
と、白い塊だと思ってたものはシーツでそこから「ぷはっ」とアオイさんが顔を出した。
「なーんだ洗濯物が絡まったアオイさんかあ」
なほちゃんのほっとした声が聞こえると共にアオイさんが炭治郎くんのベッドに駆け寄る。
「意識が戻って良かった〜!!!あたしの代わりに行ってくれたから」
わんわん泣いて顔を伏せたアオイさん。
その背中をカナヲと私で擦った。
「ありが…とう……他の…みんなは…大丈夫ですか」
そう言って他人を気にする炭治郎くんに後藤さんたちと一緒になって教える。
善逸くんは蝶屋敷に来た翌日に目を覚まして、一昨日任務に復帰したこと。
運ばれた時から意識があった宇髄さんのこと。
お嫁さんたちの肩を借りて歩いていたことに隠は全員引いていたそうだ。
そして、話題は伊之助くんに移る。
「伊之助さん、凄く状態が悪かったの。毒が回ったせいで呼吸による止血が遅れてしまって」
涙ぐみながら話すアオイさんに炭治郎くんが納得したように頷いた。
「そうか…じゃあ…天井に張り付いている伊之助は俺の幻覚なんだな…」
その言葉に「えっ」と顔を上げると、本当に天井に張り付いた伊之助くんの姿があった。
「うわーーっ!?」
「きゃぁー!!」
と各々の驚きの声が響く。
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作者名:月見 | 作成日時:2020年10月11日 5時