記憶の中で… -Fuma，Shori-

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『とにかく一度、中に入って見て下さい。簡単なアンケートにお答え頂くだけで、お金は一切かかりませんので…』


ここに来るまで、必死にお願いされていたのもあって、半信半疑で男性について行った…



マンションのある一室に入ると、部屋の中にカプセルホテルのような大きさのゲージが沢山設置してあった。



その状況に恐怖心が拭えなかったけど、菊池くんに『もし、興味があるなら、この中から選んで？』と言われて、そっと覗いてみると…



おびえる子。


ニコニコしてる子。


素っ気ない子。


タイプもバラバラで…普通の人間にしか見えない子達が入っていた。


この子達は皆クローンなの？




と言うか…


『あのさ…同じクローンなら、菊池くんを選んだらダメなの？』


この時…会ってから数時間が経つ彼に対して、なんとなく情が移っていた。


『俺？！』


私の言葉に、かなり驚いている菊池くん…


『ダメかな？』



「消される」って怯えていたのも気になるし…


私が彼を選んだら、そんな心配しなくて良くなるんじゃないかな？


そう思って、もう一度聞いてみた…

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