記憶の中で… -Fuma，Shori-

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準備を終えて…約束の時間になるとインターホンが鳴った。


出ようとしたら、勝利が『俺が出るよ』って、言うから…なんか気になって聞き耳を立てた。汗




『お邪魔します…勝利、変わりない？』


『うん…今、お茶を出します…』



特に難しい話をする訳ではなく、そのまま勝利がキッチンに向かう音が聞こえ、櫻井さんが部屋に入ってきて…



櫻井さんは私の向かい側に座ると、小声で話しかけてきた。


『Aさん、今日伺ったのは…決めて頂きたい事があって…今後の事なんですが、最期まで勝利と過ごすか、彼が23歳になったら手離すかどちらにするかという話なんですが……』



『え？手離す？』


どういう事？



『最期…彼を看取るのが辛いという場合は、23歳になった時点で私達の所へ返すという選択肢もあります…』



『えっ？でも…風磨は…』


出逢った時、既に23歳だった…



『あぁ…そうでしたね…彼は元々ペット契約ではなかったので…』




そういう事か…





勝利を返す？





返したら…





その後、彼は……




どうなるかなんて、分かりきっている…

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