# 蘇る記憶のカケラ ページ20
.
翔太「 …ダンス。」
『 え？』
翔太「 俺… ダンスが、好きだった。」
�� 特技は分かる？��
そんなさっき聞いた質問に、
翔太さんはそう答えた。
『 どんなダンスしてたの？』
翔太「 みんなで… 踊ってた。
バク転したり、アクロバットしたり…、」
するとそのまま
なぜか翔太さん瞳から涙が溢れる。
『 どうしたの…？』
翔太「 分かんない…っ、
なんか、涙、出てきた…っ、」
私を見つめながらポロポロと。
そんな翔太さんを
優しく優しく、抱きしめてあげた。
『 嫌なこと、思い出しちゃったかな…。』
翔太「 ごめん、ね…っ、」
『 いいんだよ、泣いても。
苦しいなら、ゆっくりでいいから。
思い出したくなってからでいい。』
確かに記憶が戻るのは大事だけど、
一番は翔太さんの心から
恐怖や不安がなくなること。
私なんかじゃ
救ってあげられない心かもしれないけど、
こうして近くで
抱きしめることならできるから。
『 …もう翔太さんは、一人じゃないよ。』
翔太「 …Aちゃん、っ。」
.
結局その日はそれ以上
記憶の話をするのはやめた。
だからその代わりに
翔太さんにたくさん泣かせてあげたの。
翔太さんに出会ってから
こんな風に泣いたのは多分初めて。
初めて見た、翔太さんの涙。
だけどこれはきっと
少しずつ思い出してる証拠なんだよね。
辛かったような気がするから、
こうして涙が溢れちゃうんだよね。
『 …大丈夫。乗り越えられるよ。』
泣き疲れたのか
そのまま私の膝の上で
静かに寝息を立て始めた翔太さん。
泣き寝入りなんて、赤ちゃんみたい。
『 …っ、』
そんな可愛い寝顔を見て
無意識に流れ出た一筋の涙。
その涙が、翔太さんの頬を伝って落ちる。
.
いつか来るサヨナラは悲しいのに
それでも出会えたことは嬉しくて、
なんだか不思議な気分だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちよこ(プロフ) - はじめまして。突然のコメント失礼いたします。このお話大好きです！めちゃきゅんきゅんして切なくなりました…！ (2020年4月7日 7時) (
レス) id: 58fa573601 (このIDを非表示/違反報告)
aco(プロフ) - ポロポロ涙が出るくらい好きなお話です！染みすぎる。応援したいってて、気持ちがリンクして苦しいけど幸せな気持ちになりました！ (2020年4月3日 15時) (レス) id: e8e47da70d (このIDを非表示/違反報告)
侑理(プロフ) - こんにちは！紅一点の物語大好きなので楽しみにしています！！ (2020年4月2日 19時) (レス) id: c38c050dd0 (このIDを非表示/違反報告)
Eir(プロフ) - はじめまして！いつも楽しくお話しを読ませていただいてます。更新楽しみにしています！頑張ってください(o^^o) (2020年4月1日 9時) (レス) id: ed0fff4166 (このIDを非表示/違反報告)
瑶(プロフ) - これからも更新頑張って下さい！応援してます!!長文失礼しました。 (2020年3月31日 22時) (レス) id: 4fa45ba1a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：望穂
| 作成日時：2020年3月28日 0時
