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そう言われて、勝利と出逢った部屋に久しぶりに入った。
あそこに居たんだよね…
勝利が居たゲージを覗くと…。
『えっ?勝利?!』
そこには…あの日と同じように彼が居た。
『嘘っ、なんで!!』
驚いて大声をあげると、花瓶を持って部屋に入ってきた櫻井さんに否定された…
『Aさん…それは、外見は同じでも…全く別の勝利ですから…』
確かに、若干幼さが残っているけど…そう言われても信じられない。
ゲージに近づいて『勝利?』と、話しかけると、首を横に振って後ずさりしていく…
『櫻井さん、あの…中に入ってはいけませんか?』
勝利はもう居ない。
分かっているはずなのに、櫻井さんの言葉を信じきれなくて…確認したくなった。
『え?まぁ…Aさんが、それで納得できるのなら良いですが…頭を打たないよう気をつけて下さいね?』
何か、デジャヴのような物を感じながらゲージの中に入って、彼を優しく抱き締めた。
『会いたかったよ…勝利…』
そう伝える私に彼が放った言葉は『会いたかったって、何?どうせ、俺の事なんか選ばないくせに…期待させないでよ…』だった。
この感じ、あの時と…同じだよね?
勝利とそっくりな彼を目の前にしたからか…
出逢った日からの全ての記憶が鮮明に蘇り…
涙が溢れた…。
==end==
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作者名:らきめろ | 作成日時:2018年4月24日 9時