体験先にて・l ページ9
ヒーロー殺しだけが確かに、相手に立ち向かっていた。
＊
「起きたか、起弾くん」
「……よく寝た。ここのベッド柔らかいね、保温性もいい」
「体調に関してを是非話して欲しいのだが……」
病衣に身を包んだ四人が白い大きな部屋のベッドに腰掛けている。
うち三人が包帯を巻いているのを思うと、軽いガーゼとサージカルテープだけの私は軽傷だ。
「全然平気。君らに比べたらね」
「そんな……いや、そう、か。僕の脚、殺そうと思えば殺されてた」
「俺らはあからさまに生かされた」
本気じゃないステインに、プロヒーローを交えてもこれだけやられたのだ。
彼の戦闘力に恐れるとともに……自分たちの能力の未発達さに不安が押し寄せる。
飯田君がやりきれない顔で話しだそうとしたところ、バリアフリーの扉がガラッと横にあいた。グラントリノ、マニュアルさん……来客？
「保須警察署署長の面構犬嗣さんだ」
「掛けたままで結構だワン」
そこまで素晴らしいまでに犬らしくせんでも。
「君たちがヒーロー殺しを仕留めた、雄英生徒だワンね」
「はい」
「ヒーロー殺しだが……火傷に骨折となかなかの重傷で現在治療中だワン」
「！」
「超常黎明期……警察は統率と規格を重要視し、"個性"を"武"に用いない事とした。そしてヒーローはその"穴"を埋める形で台頭してきた職だワン」
そうだ。個性が生まれた頃、突如として人間という規格が崩れさり、それこそ世間は大崩壊した。あまりの混乱に法は意味を持たず、神に縋るしかないような中で、大きすぎる責任を突然に負わされたのは政府だ。
人々の差を抑える為には、規律を作る他ない。
そしてその規律を守り続けた人々のおかげで社会が作られている。
社会が人を作るのか、人が社会を作るのかという話は鶏と卵の話になってしまうが。
「資格未取得者が保護管理者の指示なく"個性"で危害を加えたこと。たとえ相手がヒーロー殺しであろうとも、これは立派な規則違反だワン……君たちには厳正な処分が下されなければならない」
「待ってください、規則守って見殺しにするべきだったって！？」
「結果オーライであれば規則などウヤムヤでいいと？」
「……人をっ……救けるのが、ヒーローの仕事だろ」
「君らはまだ"卵"だ……まったく……」
この犬、そう言って身を乗り出す轟君。案外熱くなると口が悪くなるようだ。
「まぁ話は最後まで聞け」とグラントリノ。
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そら - 更新を心待ちにしております！続きが楽しみです！ (2019年1月27日 17時) (
レス) id: 1f868e4f02 (このIDを非表示/違反報告)
はっし- - 私このお話し大好きです、、、こんな素敵なお話書いてくれてありがとうございました。更新楽しみに待ってます。夢主の元カレさん大好きですねスト−リ−的にも。この話の終わりはどんな感じになるのか楽しみです。がんばってください (2017年5月1日 18時) (レス) id: 789bdf4173 (このIDを非表示/違反報告)
鍵話(プロフ) - Raia@飛竜桐乃さん» ……！！ ど、どうしてそんな人を喜ばせることが言えるんすか……！！ 素人なりに頑張ってる気ではあるんで、そう言ってもらえると報われるというか……数多に存在する小説と被らないものになるようにって、思ってて、あの、ありがとうございます、本当に嬉しい。 (2017年4月17日 20時) (レス) id: 3ea50c77cb (このIDを非表示/違反報告)
Raia@飛竜桐乃(プロフ) - 私事ですが鍵話さんの作品が本当に大好きです。ストーリーの練り込まれ方と主人公に影をつけているところが特に。すみませんそれを伝えたいだけの長文のコメントでした。私の日常に感動をありがとうございます (2017年4月16日 21時) (レス) id: 81bdde2e78 (このIDを非表示/違反報告)
鍵話(プロフ) - 柚子sherbetさん» 貴方はお母さんか何かだろうかwww (2017年3月26日 10時) (レス) id: 3ea50c77cb (このIDを非表示/違反報告)
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