帰り道にて・c ページ21
小学生が公園で遊ばなくなった、なんて話をよく聞く。
実際そうだろう。何をして遊ぶの？ と親戚の小学二年生に聞いたら、マインクラフトと答えたのだから。
私は遊び回る子供ではなかった。
探検が好きであった。
家と家の間に張り巡らされた塀の上を、恐る恐るに歩いていく。
猫避けのペットボトルが邪魔で、蹴落とした。
今思えば静かに迷惑な子供だった。
「……」
そういえば、晴れている。
晴れ渡っている。
人と車が行き交う大通りは、五月蝿いようで、静かだ。
人が歩いている。
足音をタイヤが掻き消す。
「センチメンタルに浸るのもいいけどさ」
「高校生って友達と帰ってなんぼじゃない？」
後ろから声がした。
拳藤さんと物間君率いる、Ｂ組の何人か。
「そうかもね」
「まぁＡ組とつるむよりはうちの方が断然いいと思うけど！」
「一言多い」容赦ない手刀が下る。
「つーかこっちの道通ってるのＢ組が多いから、Ａ組のやつ初めて見たわ」確か骨抜君だった気がする。
「なんとなくで歩いてたからね。スマホあるから、正直どこからでも帰れるけど」
文明すげぇなーとぼんやり話す彼。ＢだのＡだの言っていても、高校生であることには変わらない。
「はっ、起弾さん、期末試験への心持ちはどうだい！？」
「お前元気だな」ほんとにな。
「期末試験ねぇ……実技も不安だけど、私としては筆記の方がずっと不安だな。頭良くないから」
「だぁいじょうぶでしょ、受かってるんだから」
「いやそれもなかなか疑問点が多くて」
どういうこと？ と訝しげに聞かれた。思わず顔を逸らす。
「起弾さん！ 補修なんてことになるなよ、一緒にＡ組の悪口を言い合おうじゃな」
「目の前にＡ組がいるのに何言ってんだ」
ストッ……下された手刀、倒れゆく物間寧人。
やけに沸点に入りそうになったが、ぐっと堪える。
「じゃ、うちらあの駅から帰るけど起弾は？」
「え？ あぁ、そうだな、地下鉄で帰るよ。そっちの電車使い慣れてないから」
「そう。気をつけてね」
「ん」
手を振って別れてから、一人になって、周囲を見渡す。
やけにがらんどうとしていて寂しさが増した。
道は静かではなかった。
エンジン音が、足音が、自分の孤独さを掻き立てるように鳴っている。
＿＿
迷走してる。
わけわかんないけど、こういうの好きだ。
帰り道は普段絡まないキャラとの接点になりそうだなぁ
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そら - 更新を心待ちにしております！続きが楽しみです！ (2019年1月27日 17時) (
レス) id: 1f868e4f02 (このIDを非表示/違反報告)
はっし- - 私このお話し大好きです、、、こんな素敵なお話書いてくれてありがとうございました。更新楽しみに待ってます。夢主の元カレさん大好きですねスト−リ−的にも。この話の終わりはどんな感じになるのか楽しみです。がんばってください (2017年5月1日 18時) (レス) id: 789bdf4173 (このIDを非表示/違反報告)
鍵話(プロフ) - Raia@飛竜桐乃さん» ……！！ ど、どうしてそんな人を喜ばせることが言えるんすか……！！ 素人なりに頑張ってる気ではあるんで、そう言ってもらえると報われるというか……数多に存在する小説と被らないものになるようにって、思ってて、あの、ありがとうございます、本当に嬉しい。 (2017年4月17日 20時) (レス) id: 3ea50c77cb (このIDを非表示/違反報告)
Raia@飛竜桐乃(プロフ) - 私事ですが鍵話さんの作品が本当に大好きです。ストーリーの練り込まれ方と主人公に影をつけているところが特に。すみませんそれを伝えたいだけの長文のコメントでした。私の日常に感動をありがとうございます (2017年4月16日 21時) (レス) id: 81bdde2e78 (このIDを非表示/違反報告)
鍵話(プロフ) - 柚子sherbetさん» 貴方はお母さんか何かだろうかwww (2017年3月26日 10時) (レス) id: 3ea50c77cb (このIDを非表示/違反報告)
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