体験先にて・n ページ11
「変革派……」とはいえど、明らかになっていればプロヒーローになれるわけはない。
「隠してるんだ。ヒーローの資格ある方が自由多いし、ウォンテッドといっても、敵に比べれば重要視はされてない」
「……敵との、繋がりって」
一番気になっているのは、言わずもがなそれだ。
同じ思想を持つものが集まってこその、派であり、連合。
だというのに近しくも決して隣合わない思想を持つ二つがどんな関わりを？
「……敵連合の内部を探るため、だった。もともとはね。一応変革派からの派遣として、敵連合に身を置いていた。そうしたら任務を託されたの」
「……？」
「貴女の、監視」
冷たいものが首筋を駆けた。
また、私か。
「貴女がこの社会に不満を持っていることはわかってた」確かに、世蔓を除いてもこのヒーロー飽和社会に疑問を抱いている。
「……それが何か」
「貴女に革命思想を芽生えさせろ。そういう任務だったのよ」
なんだよ、それ。
ばかばかしい。
そんなもの、とっくに。
「ふざけんなよ……っ、んなくだらねぇこと……！！」
「……ごめんなさい、私が」
「ロンターノは謝んないでください！ 私は、そんな馬鹿げたことにロンターノが利用されたことに怒ってるんだ！！」
ふざけるな。私に革命思想？
どうして伝脳なんていう優秀な諜報部員がいるというのに、そこまで調べが、推測が追いつかなかったんだ。
元々こんな世の中大ッ嫌いだ。
ヒーローだって敵だって、そんなものが溢れていて、個性の言葉の意味も違えた世の中なんざ、嫌いで、嫌いで、嫌いで、
怒りに目頭が熱くなった。
ぼろぼろと涙が出て、叫びたくなった。
「ねぇヒーロー……」
私を抱きしめた、ロンターノに涙が染みる。
「自分の道は、自分で選んで……誰の言葉も、思わないでいいの。ただ、その身体に刻まれた記憶に、知識に、感情に、貴女自身の意志に従って、これからを選んで」
「……っぐ、……っ！ ……ぅぇっ」
「その道が華やかでも、薄汚くても、貴女が進みたい方向を行きなさい。正義も、悪も、革命も、少女の未来を思う心には関係ない。"自分の居場所"のため、"望むもの"のために、そのためだけに、」
未来を選んで。
＊
彼女は私から手を離して、すぐに消えてしまった。
カフェにもいなかった。
カフェで適当に過ごして、電車に乗って帰るとき。
閉まったドアの向こうから、彼女は手を振っていた。
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そら - 更新を心待ちにしております！続きが楽しみです！ (2019年1月27日 17時) (
レス) id: 1f868e4f02 (このIDを非表示/違反報告)
はっし- - 私このお話し大好きです、、、こんな素敵なお話書いてくれてありがとうございました。更新楽しみに待ってます。夢主の元カレさん大好きですねスト−リ−的にも。この話の終わりはどんな感じになるのか楽しみです。がんばってください (2017年5月1日 18時) (レス) id: 789bdf4173 (このIDを非表示/違反報告)
鍵話(プロフ) - Raia@飛竜桐乃さん» ……！！ ど、どうしてそんな人を喜ばせることが言えるんすか……！！ 素人なりに頑張ってる気ではあるんで、そう言ってもらえると報われるというか……数多に存在する小説と被らないものになるようにって、思ってて、あの、ありがとうございます、本当に嬉しい。 (2017年4月17日 20時) (レス) id: 3ea50c77cb (このIDを非表示/違反報告)
Raia@飛竜桐乃(プロフ) - 私事ですが鍵話さんの作品が本当に大好きです。ストーリーの練り込まれ方と主人公に影をつけているところが特に。すみませんそれを伝えたいだけの長文のコメントでした。私の日常に感動をありがとうございます (2017年4月16日 21時) (レス) id: 81bdde2e78 (このIDを非表示/違反報告)
鍵話(プロフ) - 柚子sherbetさん» 貴方はお母さんか何かだろうかwww (2017年3月26日 10時) (レス) id: 3ea50c77cb (このIDを非表示/違反報告)
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