one hundred three ページ10
シルクside
貴「ちょっと暖かくなってきた〜」
歩きながら呟くA
その声が右耳から左耳へと抜けていく
俺は計っている
何をって?
タイミングを
今日はホワイトデー
そう、バレンタインのお返しを渡す日
どんな風に渡せばいいのか…
いや、まぁ…どんな風でもAは喜んでくれる
そんなことはわかってる
でもさ、だって
Aは俺の彼女
少しぐらいカッコつけたいじゃん!?
さっきンダホがポッキーを渡してるのを見た
あんな感じで何気なく渡せばいいのか?
貴「シルク?どうしたの〜?」
俺の顔を覗き込むA
だいぶ考え込んでたみたいだ
シルク「えっと…今日ホワイトデーだから」
そう言って袋を渡す
シルク「チョコめっちゃ美味かった、ありがとな!お返し!」
顔を綻ばせる
…可愛い
俺の手を引いて近くの公園に入るとベンチに座った
貴「開けていい?」
シルク「おう!」
Aの白くて細い指で
リボンを取って中身を取りだした
貴「ポーチだ、可愛い…」
鼓膜に届いたその声に安心する
貴「…何か入ってる?」
そう言ってポーチを開けると
少しの量のお菓子と
貴「お手紙?シルクが書いてくれたの〜?」
シルク「うん、あっ、恥ずいから家で読んで!」
手紙を開こうとするAを止める
顔が赤くなってるのが自分でもわかる
貴「んふふ、音読しちゃおっかな〜?」
放っとけばやりかねないので
しっかりと止めておく
貴「わかった、家で読むね」
シルク「お願いしますww」
ニコニコしながらそれをしまう
シルク「てか俺らまだ会ってから1年経ってないんだぜ?」
貴「そうだね、もっと一緒に長くいる気がする〜」
毎日が楽しくて充実してて
その日が過ぎるのはあっという間なのに
こうやって振り向くと長く感じる
貴「私のこと捨てちゃだめだよ〜?もう拾ってくれる人いないから」
Aのことを拾う奴はいっぱいいるだろうけど
そんな奴らには任せられないなww
シルク「当たり前、死ぬまで離してやんねぇww嫌がってもww」
楽しそうに笑うAを見てまた安心した
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作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2019年11月15日 17時