シルクの彼女は絹みたい -学生Ver.-【Fischer's】 (ページ26)

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番外編職場体験③ ページ26

Aside

「お外遊びの時間だよ！」
先生がそう言うと帽子をかぶって

勢いよく外に飛び出していく
ｼﾙｸ「Aは無理すんな、何かあったらすぐ言えよ？」

貴「うん、シルクありがと〜」
私の頭を撫でてから外に出ていった

「じゃあ鬼ごっこする人！」
「「はーいっ！」」

みんなが元気よく手をあげると
先生が鬼になってゲームが始まった

貴「あれ？Aちゃんは鬼ごっこしないの？」
『…Aね、喘息だから出来ないの』

建物の影になったところに2人で座る
貴「そっか、私も喘息なの」

そう言うとバッ、と顔を上げる
『お姉さんも？』

貴「うん、すぐに咳出ちゃう。私も運動したこと、1回もないの」
いつもよりずーっとゆっくり走るシルクを眺める

貴「シルクみたいに早く走れたら楽しいんだろうなぁ…」
タケちゃんも走るの楽しそう

ダホちゃんは走るの苦手って言ってたけど
でもあんなふうに汗を流してみたい

『お姉さんはシルクが好きなの？』
貴「えっ？…うん、大好きだよ」

キラキラとした目で私を見る
『いいなぁ…好きな人いるの…咳いっぱい出るとみんな嫌がるから…』

あぁ…やっぱりそうなんだね
まだ喘息は受け入れられない

貴「…大丈夫、私もそうだったの。中学生まではみんなに嫌がられてたの。でもね高校生になってから…タケちゃんとかダホちゃんとかシルクとかは優しくしてくれるの」

3人だけが頼りで大好きなの
『高校生になってから会ったの？』

貴「うん、そうだよ。だから大丈夫だよ？いつかきっと優しくしてくれる人と会えるから」
前までの私にはそんなこと言えなかった

でも今なら胸を張って言えるよ
貴「絶対に友達って言える人ができるよ」

『うんっ！お姉さんありがとう！』
こんな純粋な瞳を持ってた時期が私にもあったのかな

貴「Aちゃんはお母さん好き？」
『うん！お母さん大好き！』

勢いよく頷く様子を見て安心する
貴「そっか、お母さんと仲良くしてね」

『うん！あっ！シルク！Aお姉さんがシルクのこと好きだって！』
外遊びが終わったようでAちゃんはシルクのところに走っていった

ｼﾙｸ「はっずっ！俺も好きだよ！」
こっちに向かって叫ぶシルク

竹「うるさい！」
タケちゃんに頭を叩かれていた