検索窓
今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:61,764 hit

forty two ページ43

シルクside

貴「サボってるって言われた…!体育休んでるの…喘息も体育が出来ないのも嘘だって…!」

モトキの言葉が引き金となって
Aは涙を流しながら言った

今日の体育の時にAのクラスの女子が言っていたのを思い出す
Aはもう慣れてると思っていたけど…

貴「どうしてそんなこと言われなきゃ行けないの…!?私だって…校庭を思い切り走ってみたいよ…!」

こんな思いを胸に閉じ込めたままで
痛々しくて

左の頬を冷やしながら右の頬に手を添えた
貴「体育館の床を踏んでジャンプしてみたいし、掃除だってしたい…!授業にだってちゃんと出たいよ…!」

体育に参加しているところを見たことは1度もない
掃除の時間も教室は換気してあるものの

埃が舞うからと言って
別の部屋で待機

授業にも出れない時があるのも知っている
貴「すぐに骨折するし、靭帯損傷するし…喘息だし…」

大きな瞳からこぼれる涙
震える綺麗な唇

貴「運動も勉強も満足に出来なくて…!両親と言えるような存在もないの…!私、何も持ってないよ…!どうして私なの…!?運動が出来ないならせめて勉強だけでも…!その逆でも…!喘息でもいいから骨折しにくいとか…!どうしてこんなに沢山詰め込んだのか分からないよ…」

いつもの間延びした喋りとか
幼さは一切なくて

貴「特別なものなんて何も要らないよ…!普通の身体が、普通の生活が…!欲しかった!」
激しくなる勢い

乱れる呼吸
ヤバい…このままじゃ…!

貴「なんで、どうして私なのっ!」
シルク「Aっ、落ち着けっ!」

そう言っても聞こえていないよう
貴「ゴホッ、ゲホゲホッ…なんでっ、ゲホッ…」

咳が出始めてもAは止まらない
モトキ「Aちゃんっ!落ち着いて!深呼吸!」

モトキがAを抱きしめる
自分の存在を知らせる為だろう

貴「はぁ…スゥ、ゲホゲホッ…」
シルク「リュック開けるぞ!」

見慣れたピンクのリュックを開くと
あの時と同じように吸入器があった

電源をつけて薬を吸わせる
モトキ「そう、落ち着いて…ゆっくり吸って?」

そう諭されてAは吸入する
モトキもかなり分かってる

手付きは竹野にも劣らないほど
貴「はぁ…はぁ…」

次第に咳は治まってきた
モトキ「落ち着いた?ごめんね、抱きついたりして」

貴「んーん、取り乱しちゃってから〜ありがと〜」
いつも通りの口調で言った

このままAを家に返すのは…
さすがに出来ない…

forty three→←forty one



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
131人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*のの(プロフ) - どこか村のだれかさんさん» ありがとうこざいます!更新頑張ります! (2019年8月20日 21時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
どこか村のだれかさん - 学生Ver.の前から読んでます!あの二人にこんな過去があったなんて.……と思いながらw更新楽しみにしてます! (2019年8月20日 20時) (レス) id: 3706e8b566 (このIDを非表示/違反報告)
www - はーい (2019年8月15日 15時) (レス) id: 54ea561834 (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - wwwさん» 最近忙しくて中々更新ができないんです…ごめんなさい!落ち着いたら更新頑張ります! (2019年8月15日 13時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
www - 私も同じく更新待ってます。。。 (2019年8月14日 16時) (レス) id: 4fbd59cfa9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2019年7月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。