シルクの彼女は絹みたい -学生Ver.-【Fischer's】

thirty nine ページ40

シルクside

Aたちが全然来ない
来るはずの席は空席だ

今回の相手はずっと前らから決まっていた
かなりの強豪校で12点の差で負けている

俺をマークしているのはかなりでかい奴
多分180cm越えてる

パスがカットされたり
シュートを打っても止められたり

体格差も大きくて中々点数が入らない
竹「負けてんじゃん！絹張ファイト！！！」

聞き覚えのある声がして観客席を見ると
空白だったところにAと竹野がいた

ｼﾙｸ「おせーよ…」
ふっ、と笑いながら呟いた

もうコートチェンジも終わった後半だぜ？
貴「シルクファイト！」

聞いたこともないような大きな声
とてもAから出たとは思えないような

ハッキリした声
どっからか力が湧いて

ボールを持ってるやつからそれを奪って
ドリブルしながら相手を躱す

貴「負けるなぁ！」
そう叫ぶAを笑わせたくて本能のままに動く

部活の仲間の声とか観客席の応援とか
そんなの全く聞こえないのに

Aの声だけ耳に届いて
やっぱAだけだって

あいつじゃなきゃダメなんだって
何度もボールがリングを通る

相手にボールが渡っても
ずくにカットして自分のものに

ﾋﾞ---
っと終了を知らせる音が鳴って

得点は2点差で俺らの勝ちだ
すぐさまチームメイトに囲まれて揉みくちゃにされる

すげーじゃん！
流石じゃん！って

観客席をむくとAと目が合う
思いっきり笑ってピースサインすると

マスクで隠れていない目を細めて
ピースサインをくれた

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