隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ40)

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「あーあ、コイツ壊れちゃったかなぁ？」

その場に倒れる高橋を見ながら蘭はつまらなそうにそう呟く

「どーせ向こうに着いたら壊れるんだから今壊れようが後で壊れようが関係ねぇだろ」

「それもそっか♪」

イザナは汚いものを見る様な目で高橋を見ながら携帯を取り出して連絡を始め、それを見た竜胆は心配そうに蘭を見た

「…でもいいのかよ兄貴、コイツ殺さなくて」

「んー、まぁ俺が殺さなくても勝手に死ぬだろ」

「コイツも馬鹿だよな、森田の話に乗るなんてさ…ウマイ話には裏があるってわかんねぇもんかなぁ？」

「身を持って体験したんだからそれでいーんじゃね？」

もう高橋に興味がないのか、蘭はタバコを取り出すと火をつけゆっくりと煙を吐き出す

「兄貴優しい〜、俺なら原型わからなくなるまで殺しちゃうけどね」

「知らない土地で、しかも言葉が通じない国に送るってのにどこが優しいんだよ？」

「それもそっか！」

ニシシっと笑う竜胆と満足げにしている蘭に、連絡を終えたイザナが声をかける

「30分後に引き取りに来るってよ、蘭はもう帰ってやれ、後は俺達がやる」

「マジ？大将やっさしー！」

「これで貸し借りはナシだ、早く嫁さん達を安心させるなり慰めてやれ」

「ん、ありがとうね…ホント」

蘭は手を振ってその場を去り、Aが待つ家へと帰路に着く

「Aただいま〜って、流石に寝てるよな？」

腕時計のハリは深夜を示していて、蘭はそっと寝室の扉をあけるとAが起きている事に驚く

「あれ、起きてたの？」

『えと…なんか色々とありすぎて眠れなくて』

「まぁ、そーだよな」

Aの横には菫と椿が安心し切った顔で眠っていて
蘭は本当に終わったんだと安堵のため息を溢し、ギュッとお互いの存在を確かめる様に強く抱きしめると、どちらともなく重なる唇

「…ごめん、ちょっと興奮したから風呂でも入って落ちつかせてくる」

離れようとする蘭だったが、Aの手がそれを拒む様に蘭の服を掴んだ

「A？」

『…変だってわかってる、でも今は蘭君を感じたいのって言ったら…引く？』

「んーん、ちょー嬉しい」

子供達を起こさない様にAを抱き上げながらキスを繰り返し寝室を出た2人
蘭の仕事部屋にある1人分のベッドにAを寝かせてその肌に指を滑らせた

「菫達は俺に似て一度寝たら中々起きねぇけど、一応声は我慢しろよ？」

『それは蘭君次第だと思うけど？』

「ははっ、善処します」

お互いの熱を感じながらシーツに沈み、その手は朝まで離れることはなかった