隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ38)

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「…ん、あ、れ？」

ひんやりとした空気に高橋は目を覚ますと目の前に吊るされたものを見て驚きの声を上げる

「わああぁ！？な、なんっなんだよこれ！！」

まるで精肉工場の食用家畜の様に吊るされているのは紛れもなく自分と同じ【人間】で、
切れたお腹からは臓物がこれ見よがしに飛び出ているではないか

「おっおえぇっ！」

あまりの衝撃的な光景に高橋は込み上げる吐き気に耐えられずに吐き出していた

「うわ、きったねぇーなぁ…後処理すること考えろよな」

ダルそうな声と共にカツカツと近づく靴の音
いかにも高そうな靴が視界に入るや否やそのまま頬を蹴られいとも簡単に高橋の体が横に転がる

「兄貴ー、コイツ目ぇ覚ましたけど？」

「ん。オハヨ♪」

上機嫌な様に聞こえて殺気の含んだ声
忌々しい存在を睨むように顔を向ければ灰谷蘭と、その仲間たちが一人の人間を囲むようにして椅子に座っていた
1人は煙草を吹かしながら、1人は酒缶を片手に持ちながらこの状況を楽しんでいるで様に見える

真ん中にいる人物をよく見れば、ほぼ全裸な上に手足は拘束されていて
顔は麻袋によって覆われているではないか

「なに、してっ」

「何って裏切り者の始末だけど？」

当たり前のこと言わせるなといわんばかりの蘭の表情に悍ましささえ感じる

「ただ始末すんのも詰まらねぇからなぁ？ロシアンルーレット風にして賭け事してんだよ＿＿＿あ、それとも黒ひげ危機一髪かぁ？」

ピンクの髪を生やし口の両端に傷を負った男…三途がゲラゲラと笑えば、蘭を含め他のメンバーもクスクスと笑みを浮かべるではないか

「ま、まともじゃないっ」

「お前が言えた口か？」

そう言ったのは他でもないこの組織のボスであるイザナだ

「丁度いい、お前も俺の代わりに参加しろよ！」

「＿＿＿蘭、いいか？」

三途の提案にイザナは蘭を見る

「いいよ～」

「決まりだな♪丁度負け続きでイライラしてたところだからよ～」

「っ誰もするだなんて！」

「テメェに拒否権があるとでも思ってんのかぁ？あ”ぁ！？」

ゴスっと鈍い音で竜胆にお腹を蹴られ咽せる高橋の前に蘭はしゃがみこんで髪を掴み上げる

「夜はまだ長いんだから、楽しもうな？高橋ー」

ニィと歪められた瞳は暗く淀んでいた