隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ4)

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お昼時…
お弁当を作る気になかったAは、会社の食堂で何を食べようかとメニューを眺めていると不意に誰かに肩を軽く叩かれる

「やっほ、久しぶり！」

『高橋さん！』

振り返れば本当に久しい対面に思わず笑顔になっていた

「聞いたよ、結婚したんだって？」

はい、俺からのキモチ、と言われてAの目の前にご祝儀袋が差し出される

『んえー！？なんか悪いよっ』

「いいっていいて、寧ろ受け取らない方が失礼にあたるんだぞー？」

『う、あ、ありがとねっお返しは近々用意させてもらいますっ』

「ふふ、それこそいいのに…旦那さんになった人って例の束縛系彼氏さん？」

『言い方…まぁ色々とあってね』

高橋の目が目立つAのお腹へと向けられる

「ふぅーん、色々と…ねぇ」

どこか含みのある高橋の声色に、Aの顔から笑顔が少し引いていった

『高橋さん？』

しかし、Aが高橋の事を呼べば直ぐにぱっと貼り付けた様な笑みを浮かべる姿に、若干の違和感を覚えつつもAも合せて笑顔を浮かべた

「オメデタ婚かぁ～、本当俺の先を行くなぁ三ツ谷さ…あ、灰谷(・・)だっけ？」

『呼びやすい方で大丈夫だよ』

「それじゃ…今まで通り呼ばせてもらおっかなぁ♪でも、珍しいね三ツ谷さんが食堂なんて、研修の時も思ったけど基本的にお弁当のイメージだったからさ」

『うん、今日はちょっと作る気になれなくて』

「旦那さんが代わりに作ったりしないの？」

『ん～、基本的に簡単な料理以外作れないから』

「え～！？こうゆう時こそ夫婦で協力じゃない？」

この高橋という男、灰谷蘭がどれ程までに危険な男かしらないのをいい事に
何かと茶々を入れたがるが、命知らずもここまでくるともう救いようがない

Aは蘭がキッチンに立っていた日のことを思い出し、それはそれで悲惨だった事を伝える

「ふ～ん…あ！良かったらお昼一緒に食べない？」
　

一瞬断ろうかとも考えるも、流石に社内くらいはいいだろうと高橋の誘いを受け入れた