隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ19)

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19.(番外編）ページ19

こちらは番外編となっておりまして、小学4年生くらいの息子君のお話になります。
ただ単に作者が書きたかっただけの妄想世界です。
読まなくても本編には何も影響がないので、暇つぶし程度にご覧ください。

＿＿＿(とある女の子視点)

私が通う小学校には凄く可愛い…と言うか、お花みたいに綺麗な子がいる
名前は確か、【灰谷菫】

漢字で【スミレ】ってかいて【ぎん】って読むんだって

灰谷君は女の子みたいな顔だけど、男の子で
物静かなわりに誰とでも平等に接してる様な子

彼は勉強もスポーツも何でも出来て私とは真逆な存在で、正直眩しく見えて苦手だった

「何してんの？」

『へ、えっ？』

放課後、ガラリと空いた教室を一人で掃除をしていると帰ったハズの灰谷君が不思議そうに私を見る

『なにって…掃除、だけど』

「ふーん、他の当番の奴らは？」

『えと、みんな用事があるみたいだったから…』

本当は掃除を押し付けられて断らなかっただけなんて言えるわけがない

「用事ねぇ…アンタは？」

『えっ？私？私は別に…帰っても親は遅くまでいないし…用事なんて、ないし』

「あっそ」

灰谷君がランドセルを廊下に置くのを呆然と見ていると、持っていた箒が取られた

『灰谷君！？』

「俺が掃くから野田さんはモップやってよ」

『で、でもっ』

「いいから早く、じゃないと俺も帰れない」

彼の空気に当てられて私は慌ててモップを手に取り彼が掃いた後を追う様に滑らせた

「ん、お疲れ様」

『え、あっあ、り、がとうっ』

掃除用具を片付けると彼は私の方を向く

「別に、アンタ暇なら俺に付き合ってよ」

『付き合うって、何に？』

「言うのダルいからついてきて」

『えぇっ灰谷君！？』

ランドセルを背負って歩き出す灰谷君の後を慌ててついて行くと、辿り着いたのは人気の少ないところにある駄菓子屋さんだった

『え、と…灰谷君これは？』

「駄菓子屋」

『それはわかるよっ！でも流石に先生に見つかったらマズいんじゃ…』

私の言っている事を無視して灰谷君はいくつかカゴにお菓子を詰めると、奥で座ってるお婆ちゃんにお金を渡して戻ってくるなり私の口に飴を押し込んだ

『んぐ！？』

「あーあ、これでアンタも共犯だな」

『っ』

彼はニカッと笑いながら自分の分の飴の包装を取って口に含んだ
その顔に心臓が一瞬ドッキリと大きく鳴って、顔に熱が溜まる