隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ18)

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「たまにいるんですよねぇ〜仕事先でもそうゆう人、自分より格下だとわかると必要以上に責める様な奴…俺の言いたいことわかります？」

「そ、それはっ」

「Aは昔から何かと苦労させてきたんですよ、優しいから自分が損するような女です。
でもその優しさに漬け込んで自分の鬱憤までぶつけるのってお門違いじゃありません？」

「な、なっ」

「確かに手をあげたうちの息子にだって非はある、でも理由を聞けば…お宅の息子さんが女の子の髪を引っ張ってたから殴ったって＿＿アンタの息子の方が教育見直した方がいいんじゃねぇの？」

本能でこれ以上はやばいと思い、蘭君の前に出てこれ以上はやめて欲しいと全身を使ってジェスチャーで伝える
その意図を汲み取ってくれたかはわからないが、蘭君は深くため息をこぼす

「…兎に角、言い足りないなら面と向かって聞きますよ？都合はそちらに合わせます、でも内容が下らない事だったら容赦しないのでよろしくお願いしますね？」

失礼しますと切られた携帯を受け取り私はほっと一息つく

「あぁークソ」

『ら、蘭君っありがとう…ちょっと言い過ぎかもだけど…助かったよ…ちょっと言い過ぎだけど』

「いーんだよ、あぁゆうのはこっちが下手に出てるとでしゃばる一方だから早めに鼻をへし折る方がいいんだよ」

『…で、でもっ』

「お前は優しすぎ、そんなんだから相手の親に舐められるんだっての」

伸ばされた腕に簡単に身体を絡め取られ、ぎゅっと強く抱きしめられる

「俺もそう思う、ママ優しすぎて俺心配」

隣で宿題をしていた息子君も今回の件について悪びれるでもなく、ムスッとした表情で私を見る

「お前はもう少し考えてから行動しろー？ママまた胃薬と友達になっちまうだろー？」

「俺が産まれる前の苦労の元凶はパパだって隆叔父さんから聞いたけど？」

「うわ、隆の奴なに吹き込んでんだよ」

「それについてくママも大概だよね、俺なら多分ってか、無理」

『ちょっ、ママとパパがくっつかなかったら菫はいないんだよ！？』

「うん、だから俺の中でママは本当尊敬する人だよ」

『くっ…ママも菫が息子で誇りに思うよっ』

向けられた菫の笑顔に胸を打たれた私
今日の夕飯は菫が大好きなふろふき大根を作ってやろうと思った私をチョロいなー、と息子に思われていたのはまた別の話