隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ12)

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『＿＿＿っ！？』

一瞬何が起こったのか私自身よくわからなかった
確かにカッとなった私に非があるし、ましてや蘭君のお母さん相手にとんでもない暴言を吐いた自信しかない

でも許せなかったのだ
家族の中でも唯一旦那とは違って濃く繋がった息子に対しての態度に
言った事に後悔なんて１ミリもしてない
だって私と蘭君は家族だよ？擁護するのなんて当たり前じゃない

「テメェ！」

『蘭君っ！』

頬を叩かれた私を見て蘭君が黙っているわけがなく、掴みかかろうとする蘭君の腕を力いっぱいに引き留める

『いくらムカつくからって、一応自分の親に手を上げたらダメッ！』

「でもっ！お前悔しくないのかよ！」

『ッ悔しいよっ蘭君たちの苦労も知らずにいる二人を見るのは正直ムカつく！でもね、それと蘭君が手を上げることは別！』

「っ」

首を横に振れば蘭君は渋々といった感じで力んでいた手の力を緩め、静かに舌打ちを零す

「あら、随分とウチの子を手なずけてるね、威勢があるのは口だけだと思って＿＿＿」

蘭君のお母さんが恍惚そうに放つ言葉に私はため息を零すと、彼女が呑みかけていたカップを手に取り思いっきり中身をかけてやった

『いやぁ、うっかり手が滑っちゃいましたぁ★』

「何するの！」

『…お引き取りください！蘭君も言った通り、今私達は大変な時期であなた達の態度に構ってあげられる程ヒマではないんですよ』

「は、はい！？」

『図星を言われて言い返せないから手をあげる…貴方はそうやって今まで過ごしてきたのかも知れませんが、ここではそんなの関係ありません！』

「私達が蘭の両親だと知って君はその態度を取るのかい？」

漸く口を開いたお義父さんの目は見た目とは裏腹に威圧的なもので
でも今は不思議とその目を向けられても怖いなんて思う事はなかった

『それ本気で言ってます？ここの家主は私達ですよ？私達がこの場でのルールなんです、蘭君の親だろうが何だろうが関係ないです！』

「呆れた、少しは話が通じる相手だと思ったけど、類は友を呼ぶ・・・似た者同士じゃない」

『…あ、もしかして鏡が必要でした？御所望とあれば私ので良ければ手鏡お貸しいたしますけど？』

「なっ」

私は扉を開けると親指を引いて出口を指し示す

『玄関ならあちらです～、こちらの気が変わらない内に荷物全部持って帰れください♪』

営業部顔負けの笑顔を張り付けてやればご両親はそれ以上何も言うわけでもなく帰ってくれた