隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ2)

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朝になれば何事もなかったかのようにしまわれている本は、背表紙を隠す様にしまわれていて、努力を口にしないあたりが蘭君らしいなと思った

彼が一生懸命に名前を考えているノートは見ようと思えばいつでもみれたが
見ようとは思わなかった、あくまで知らないフリ
彼の努力はこの子が産まれた時までの楽しみに取っておこうと決めたのだ

『ねぇ蘭君』

「ん～？」

眠たくなってきたのか、返事に覇気が無くなってる

『大好きだよ』

「俺は愛してるっての」

ぐっと後頭部伸ばされた手によって顔を引き寄せられ重なる唇から蘭君の気持ちが伝わり、私も早く天使ちゃんに会いたいなって思った

待ちに待った検診の日
お腹にエコーを当てられながら元気よく動く我が子をモニター越しに見つめる

「ふふふ、灰谷さんのお子さんは凄く元気ですね」

『お陰様で中々寝かしてくれなくて』

「世のお母さまの悩みの一つですよね、まぁこのまま順調に行けばもしかしたら予定日よりも早いかもしれないですね」

その言葉にドキッと心臓が高鳴る

「ここまで成長されてれば性別もはっきりしてるんですけど、どうしますか？」

私と蘭君はお互いに顔を見合わせて頷けば、先生はにこりと微笑むと一番わかりやすいと思われるところでエコーの映像を止めた

「ここが頭で、これが足です、そしてこの突起しているのが…恐らくお〇ん〇んかなと、でも断言はできないですけど今の段階では男の子の予定ですね」

「へぇ～、こんな風に映るんだなぁ」

「えぇ、女の子だと子宮が見えたり骨盤の形が男の子と異なるのでそれで判断するのですけどね」

貰ったエコーを見ながら帰りの中
男の子なら、もしかしたら蘭君に似ちゃうのかもしれないな～なんてほっこりしていると
それを見た蘭君は少し拗ねたように唇を突きあげる

「今のところはAの予想通りってカンジか～」

『そりゃぁお母さんですから！』

なんてドヤ顔を見せれば、悔しいのか蘭君からデコピンが落とされた