Orange daily life IV

・ ページ6

緑side









綺麗だと思っていたのも束の間
康二の息がどんどん上がっていく








緑「あ、えっと。大丈夫？どうした…！？」


橙「っ、あべちゃん…」









背中をさすってあげると涙がポロポロ零れ落ちていく









緑「どうした、どうした？ 疲れちゃった…？」


橙「疲れたわけやないっ、けど… ｸﾞｽｯ」


緑「いいよ、大丈夫。ゆっくりで。」









メンバーよりも康二とは仲は良かったけど
相談とかするような間柄ではまだなかったから
この状況をどうすればいいかと戸惑ってしまう







でも涙は止まらないし
どんどん息が荒くなってきている
俺に抱きつきながら苦しそうに涙を流すだけ









緑「え、本当に大丈夫…？ どうしよ、え。」


橙「ｸﾞｽｯ ｸﾞｽｯ あぁー！ 」









大丈夫だっていいながら
ぎゅっと体を抱きしめてあげて
背中をさすることしかできない
いつもの自分の落ち着きをこの人の前では出せない









＿＿ ﾊﾞﾀﾝｯ









突然ドアが開く音が鳴り響く









「こうちゃん！」
「じーこ！」









この2人の声が聞こえた瞬間
俺の腕の中にあった体は
プツリと糸の切れたように動かなくなった








.

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す