文書071-5-4 ページ26
そこは、平和な地。
人々の認識ではそうとらえられていました。
そう、平和です。
たとえ隣町から来た人間が多くの利益を略奪し、隣町を優遇した上で教育の権利などを握りしめ、
村を蔑ろにしていようと彼らのなかでは平和です。
そこは定義上は街に値し、かつとても繁栄している場所なのですが彼らの意識では村から抜け出せていません。
理由は戦時の利益が大きいでしょうね。
彼らは隣町を責め立て文句を並べ、革命を起こして権利を掌握する汚人を追い出す権利がありましたが、それは行いませんでした。
一度過ちを犯し、それからは平和を尊ぶようになりました。
…えぇ、尊びました。
尊びすぎた、と表した方が適切でしょうね。
先の戦争―それは彼らの敗北で終わり、長年に渡って凌辱され、それでなお利益を叩き出して復興させている経緯がありました。
あのときのものを繰り返してはならない。
そんな認識が産まれた頃から刻み付けられているのですから、当然戦争に対し嫌悪感を抱きます。
更に追い打ちのように世界は平和だと教育され、与えられた情報は鵜呑みするのが一番だとも刷り込みます。
隣町の人間はあらゆるところへ侵入していきます。
それこそ、マスメディアですとか教育機関ですとか町の上層部ですとか。
マスメディアが煽動、それを鵜呑みにした際にはどうなってしまうでしょう？
それこそチューリップバブルのようなことが発生するでしょうね。
彼らは平和や愛を絶対的なものとし、世界は平和、世界は愛で満ちていると底の知れない馬鹿さが溢れる言葉を並べていました。
腑抜けになった彼らとその街を壊すのはあまりに簡単です。
―これまではただの街民性とそこへ至るまでのプロセスでしたが、そろそろ末路の話をしましょう。
ところどころ、少しずつ違和感を抱く人間が増えていきました。
彼らは異端、疑い深い人間などとレッテルを貼られ嫌悪され、それでもまだ根付いていきました。
…ですが目が覚めるのは遅かったのです。
街民を装った町民が自身を優遇する政策をうちだし、
その後多くの町民が"私達は移民だ"と称して次々に乗っ取っていきました。
彼らは抵抗せず、喜んで受け入れてしまいました。
…街が荒れ、この街の系譜たる民は次第に減っていきます。
町民は豊富な土地と素晴らしい建造物を手に入れ、街民は迫害し、大勝利していました。
元々民族の違う人々でしたので、■■■■■族は完全になくなりました。
ええ、完全にね。
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菫青(プロフ) - 紫清さん» まず、この世界観に惚れてくれたことが作品の親として本望でした。彼女の在り方や文章は私の好みも含んでいたのですが刺さったということで大変嬉しい限りです。こちらこそコメント、ありがとうございました。 (2019年10月19日 20時) (
レス) id: 62f559e9d8 (このIDを非表示/違反報告)
紫清(プロフ) - 急にコメント失礼します、偶然この作品を読ませて頂いたのですが、謎の多く少し不気味な世界観とそれを反映した文章、そしてダンタリオンさんの在り方に惚れました……！ これからも陰ながら更新楽しみにしております。素敵な作品、本当にありがとうございます。 (2019年10月19日 20時) (レス) id: 85ba6a0490 (このIDを非表示/違反報告)
菫青(プロフ) - シャル＠如月唯奈さん» 私個人の趣味を大きく詰め込んだ設定、文章でしたが読みやすいようで何よりでした。こちらこそ参加させていただきありがとうございます。 (2019年9月25日 20時) (レス) id: 62f559e9d8 (このIDを非表示/違反報告)
シャル＠如月唯奈(プロフ) - イベント参加ありがとうございます！早速読ませていただきました。文章も好みでとても読みやすかったです(^-^)この作品の設定もイイ(笑)更新頑張ってください！ (2019年9月24日 22時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菫青 | 作成日時：2019年9月21日 21時
