良い子も悪い子も真似しないでくださいね ページ42
どっちが上かを徹底的に叩き込んでやることだよ。
「おいエンツィオ、こっち向け」
その言葉に反応してエンツィオが俺を見る。
よし、被害がでない方法としちゃこれしかない。
大きさ的に俺は蚊みたいなもんだろうか。
「なあ、本能的に俺が怖いよな?目を逸らしたいのに逸らせないよな?それでいい」
まあ蚊は伝染病の感染源であることが多いがな。
じっと見つめるエンツィオを睨み返す。
一瞬動き、顔をこちらに近づけ、食べようとしてくる。
これを好機以外になんと表せばいいのだろうか。
エンツィオの口を強引に閉じさせ、膝を使って一撃食らわせる。
少々手荒だがこっちも命かかってるんでな。
またエンツィオが暫く吠えようとする。
「静かにしろ、エンツィオ」
きいてくれなきゃもう一発。
悪いが焼肉定食(弱肉強食)なんでな。
エンツィオは僅かに驚き、それから口を閉じて静かにした。
してやったり、というところだろうか。
「家は食うな。良いな?」
大きいままのエンツィオがこくりとうなずいた。
「おうおう、聞き分けの良いやつは嫌いじゃねぇよ。そら、とりあえずは大人しくしてな」
また頷く。
小さければ可愛いんだが、大きいとやっぱガメラにしかみえない。
もしくは東京タワーが赤い理由のわかるマルチバットエンディングのドラゴンか。
「なーディノさんかリボーン。エンツィオってどうやって戻すんだっけか?」
そんなことを考えてながら扉を開け、声をかける。
「だ、大丈夫だったの?」
「大丈夫だ、問題ない。で、戻す方法は?」
「こいつだ」
ドライヤーでした。
「あ、案外普通なのね」
思ったことをそのまんま呟いてから受け取り、エンツィオの元へ戻る。
ドライヤーのスイッチを向けてエンツィオに風を渡す。
ちょっとずつ小さくなり、最終的にはすごいスピードで小さくなった。
ついでに俺も割と乾きだしていた。
手のりサイズまで戻ったエンツィオは僅かながらも恐怖する目で見ていた。
「ディノさん、エンツィオお返しするわ。俺怖がられてるし」
エンツィオは借りてきた猫というか、借りられたスッポンのように大人しく、引き渡された。
「ああ、悪かったな、相手させて」
「んにゃ、次を押さえるためには必要だから」
「なにしたんだよ…」
「あーもー俺着替えっから無しな!そら出てけって」
ひとまず彼らを追い出して、着替えながら冷静に考える。
上手くできたのかな、俺。
頭お花畑で悪かったなオイ!→←ゴジラは水爆へのアンチテーゼだったり
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作者名:菫青 | 作成日時:2019年9月18日 19時