鏡の自分が笑った気がした ページ40
ゲムカセとかがあるし本来不要には置きたくないんだけど、まあ信頼はできるし良いよね。
荷物を端に寄せて置き、洋服類をまとめて出してから積んで階段を下りる。
人に文句言わば穴二つ的な感じなのか踏み外しかけたのはここだけの秘密だったり。
「ランボ、なにもやらかしてないよね?」
一応惨事は見られないものの、やや嫌な予感がしてきいておく。
「大人しく待ってやったぞ!」
「なら良し。行くか」
本人の言質はとった、なんかあったときように警戒は欠かさずとも、今は信用しておく。
立ち上がり、部屋を出ようとしたところで気づいた。
「お姉さん、お風呂場どこ?」
普段お世話になってたとはいっても知るわけねぇよなそりゃそうだよな。
お姉さんはくすくすと笑ってから場所を教えてくれた。
私生活はだらしなかろうと素材管理とかはきっちりやっているんだから抜けてるわけない…と信じたい。
「ランボ先入ってて。ちょっとしたら俺も入るから」
「わかった!」
「ちゃんとしろよ?」
返事だけして元気に入っていくランボを確認して、軽い溜め息をつく。
疲れる。
子供の相手くっそ疲れる。
可愛らしいんだけど疲れることに変わりはない。
服を脱ぎ、上にラッシュガードを羽織ってからフードを被る。
これぞ俺がシャワー浴びるときの完全形態。
だって鏡は自分が自分じゃなくなる感覚というか、鏡の向こうが別人に見えるというかね。
…というか、来たらわかるが割とでかいなこれ。
扉を開けると水蒸気がもろに来て、思わず顔を振った。
「ねぇねぇ」
「なに?」
「初音なんで被ってるの?」
ちびっこにはわからないであろうことをきいてくる。
五歳児相手にどう説明すりゃいいんだ。
「後十年も立てば分かるさ」
「そなの?」
「そそ」
シャワーの音で会話が途切れる。
フードをおろして髪を流し、ざっと水をきってから顔をあげる。
水をきるってなんか白滝染みてるな。
横を見るとスッポンがいた。
スッポン。
「スッポン!?」
勢い余って転びかけながら横を見る。
非常に見覚えのある緑色の塊が目に見え、細かく観察すると亀ではなくスッポンということがわかる
「…ランボ、それ」
「え?」
緑が次第に巨大になっていく。
ランボの叫び声が耳をつんざき、どちらが原因かはわからないが家が揺れる。
「やっぱエンツィオじゃねぇかっ!」
ありきたりなことしか叫べなかった。
ゴジラは水爆へのアンチテーゼだったり→←賢者は学びたがり、愚者は教えたがる。つまり?
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菫青 | 作成日時:2019年9月18日 19時