ネトゲ is 最高 ページ2
薄暗く、やや日光が入る程度の部屋。
そこにいる青白い光を放つPCを、フードを被り操作する。
･･･引きこもり、条件は適応外ながら実質的にはニートの小娘でありクズの頂点…は無理そうなこの俺、氷上初音。
先程から画面を眺めてはにやついている。
｢非現実的。いっやぁ面白いね｣
見ているのはマフィアの情報取引履歴。
それを趣味の段階で全てのプログラムを排除、いわゆるハッキングをして閲覧している。
ただあくまでも趣味でいて、情報を売ることどころかただの腕試しのノリで行っているのはご了承願いたい。
｢インは別のでしてあるし、これは案外ショボかったし。
そこらのIT企業よりは手強かったけどね。｣
周りには数台のPCがあり、ブラウザを開いているもの以外はゲーム専用と化している。
｢あー、これは神ゲー･･･んで、こいつはアプデ来て･･･うわぁ、公式チートの下方修正かと思いきや不遇奴かぁ。潮時かねぇ｣
ゲーマー。
オンラインゲームに特化していて、さながら気分とキャラの待遇でやめてしまう
ライト層であり、やりこむむものはとことんやりこんでいる。
｢だいったい嫌なユーザーしか居ないし。何？負けて嫉妬での罵倒はないでしょ。って言うか、ねっむ･･･。｣
画面を見ながら愚痴がてらの酷評をし、ゲームを閉じては別のゲームを起動する。
マフィアのサイトはいまだとして開いており、閉じるのを忘れている。
不意に妙な風が俺の頬をかすった。
窓は閉めきっており、風が吹かない、風なんて来ない筈。
そして敏感に察知できてしまった人の気配。
｢アグレッシブだなぁ。･･･え？｣
一発の乾いた音と、それ以上に早く反応した体。
ただ、それ以上に衝撃的だったのが･･･。
｢･･･うっそだろお前｣
画面が割れ、銃弾のめり込んだモニターだった。
その画面のトプ画に直撃し、それでも画面はまだ映される。
人間、本当に驚くと覚えるとまともな言葉がでない。
たった今、知らされた恐ろしい現状である。
｢ハッキング技術がただ者じゃねぇ。現に特定されたのがここだ。｣
(嘘？え？何このゲーム(不ご都合主義)的展開。ていうかモニター。相棒死んだの！？)
｢俺の数年吹っ飛んだ･･･。特定は予想外だってのによ…｣
ひび割れた真っ黒な画面に手をつき、項垂れている。
｢死ね｣
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作者名：菫青 | 作成日時：2019年9月18日 19時
