俺は格好つけられない宿命でも宿ってんのかよ ページ46
山本も嬉しそうに頷いた。
よし、誤魔化しと合法化成功。
ただし諸悪の根源は許さぬ。
ただし足が麻痺してきたんでもうちょっと休ませてください。
「何してくれてんだ?ガキ共」
一瞬思考が停止し、声の聞こえるままに目を向ける。
奥の扉からいかにも被害者2ご…ヤーさんの親玉っぽいお人が出てきたではありませんか。
というかここまで大惨事大戦になっておきながら出てこないとか呑気か危機管理がないかの二択じゃないすっかやだー。
「なめた真似してくれたな」
被害者さ…腰巾着っぽいほうのお兄さんが威圧するようにして言ってくる。
「うわぁ!凄い強そうなやつが来た!?」
「…やっべ、しくじったか」
穏便に済ませたいところだったが、もうこの状況に陥っていては無条件での警告は厳しい。
となると、口座から賠償を引き落とすしか出来ないんだろうな、今月の収入大きいからまだ良いが。
被害者2号が冷静な判断をできるかだな。
流石にちょっと焦っていたら、獄寺がツナ、山本が俺の前に庇うようにしてたっていた。
エプレさんこの展開は予想外すぎて硬直しております。
俺を庇う義理も利益もないんだからツナの方行きゃ良いのにね。
いや、でも今はそんなこと言ってる暇はないわ。
「今回の全員の治療費と備品の修繕費はこっちで負担し、これで払う。だから今回は見逃してくれないか?」
互いに警戒し、緊張感が漂う空間の中でディノさんが一歩踏み出しゴールドカードを提示して軽やかに言う。
さっすがマフィアの中でも面倒見の良いマフィア、きっちり場馴れしていた。
被害者2号、これで引き下がってくれれば良いのになぁ。
「ふざけんな。金はいただく。そしててめぇらは帰さねぇ」
まあ何となく予想してはいたものの、ゴールドカードで動じないとかお前はなんなんだよ。
「これだからディノさんはおっきくなったのにへなちょことか呼ばれるんだよ」
大きくわざとらしく溜め息をついてからポケットに手を突っ込む。
予想通り例のアレがあったのでそっと掴み、麻痺した足を強引に負担をかけ立ち上がる。
「賠償、医療費負担、あと情報。これでもかって振るうけどまだ駄目?」
足の感覚がなく、生まれたての小鹿のようなものだろう。
壁に手をつけ、フード越しに思いっきり睨み付ける。
被害者共が一瞬下がった辺り、それなりに効き目はあったな。
「雑魚から大手まで情報と合法的な詐欺の回数星の如しっ」
限界が来て座り直す。
正座なんかするか。
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作者名:菫青 | 作成日時:2019年9月18日 19時