今を生きる【暗殺教室】17 ページ4
「……了解」
通話を切る
海の方に視線を向ければ赤い夕日が沈み始めていた
短くとも、濃いところだった
「仕事？」
「盗み聞きか」
あくびれもなく木々の陰から出てきた業
まあ別にいいのだけれども
「……ああ、仕事だ。二度とお前達に会う事はないだろうな」
次の世界での任務
一回行った世界には基本的に戻る事はない
もう二度と会う事はない
「その仮面、外さないの？」
「決まりだからな」
「声も？」
「ああ」
すべてを晒すわけにはいかない
特定など出来ないが、それでも少しでも悪魔から特定できる要素は少なくする
それがきまり
とくにどこか潜入する場合は
「本当の名前も？」
「……気付いていたのか」
「まあね、‘ゼロ’はここにはない存在であれ、ってところ？」
「よく気がついたな。烏間でも気付いてないと思うぞ」
「ほんとー？嬉しいなー」
夕日が、沈む
赤く染まるのは、俺だけでいい
「覚えているよ」
「？」
「たとえ、もう会えなくても、みんな忘れちゃっても、俺は覚えているよ」
神田零という存在があった事
たとえ偽りだらけだったとしても、確かにいたから
確かに、この暗殺教室にいたから
「7年後」
「は？」
「もし、7年後お前がまだ覚えていたら」
今度は本当の姿で
あの場所で、あの教室で会おう
「約束だよ」
「ああ」
「忘れたら体中に針さすから」
「おいおい、リアルだな」
ははは、と笑う
海に吸い込まれる笑い声は、明るかった
「さあ、別れだ」
闇が深くなっていく
闇に生じて消えよう
「ありがとう、零君。またね」
「ああ、また会おう。業」
一瞬で消えてしまった彼女
でも、最後に躱した握手
そのぬくもりはまだ残っていた
「7年後……」
「ヌルフフフフフ」
後ろをそっと振り向けばニヤニヤしているクラスメイト
思わず血の気が引いた
「いやー、青春だね」
「業、お前……！抜け駆けだぞ！俺も裸見たかった！」
「変態！」
「あんな顔見た事ないよー」
わいわいと騒いでいるクラスメイト
ちょっと血管がぶち切れてもいいかな？いいよね
「さあ、辛子とわさび、鼻に突っ込まれるのどっちがいい？」
そして、殺せんせーを殺したのは、卒業式前日だった
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出雲流夏(プロフ) - てにちゃん！？私のすきなジャンルですよ！！キタコレですよ！！うわぁ、俺得です！！！すごい俺得！ (2017年4月24日 17時) (
レス) id: 3483900707 (このIDを非表示/違反報告)
出雲流夏(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (2017年4月18日 16時) (レス) id: 3483900707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：由亜菜 | 作成日時：2016年8月28日 16時
