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今を生きる【あぶない刑事】5 ページ28

「あ、先輩先輩」

そう呼ぶのは、昔ただの後輩で今は港署の課長となった町田だ
彼が先輩と呼ぶのは自分と相棒だけ
何かしたかと首を傾げながら席に向かう

もう20年
あの破天荒な時から、あの一番やんちゃしていたときからそんな時間がたった
それこそこのとろい動物が課長になるくらいに
近藤課長が退職して、亡くなってしまうくらいに

「なんだよ透、俺たち何もしてないぜ」
「したとしたら、タカが銀色のお星様の残党見つけて勝手に動いたとか?」
「ちょ、それ本当ですか?!」
「んなことしてねーよ」

それより用件、といえばそうだったと机の中をかき回す
そして一枚の紙を差し出した
そこにあるのは東京にある住所
だけど見覚えのないものだ
東京にはこれと言った知り合いもいないはずだし

「覚えてますか?」
「何が」
「20年くらい前、不思議な女性がいたの」

瞬間、一気に記憶が駆け巡る
そうだ、20年前あの港署で、随分不思議な女性に会った
一瞬で、幻のように消えてしまって
それ以来連絡も無かったし、ここ7年はアンダーカバーとして潜っていたから

「その人がね、先輩達がいなくなってから一年ごとに電話をかけてきたんですよ」
「一年ごとに?」
「ええ、「鷹山さんと大下さんはいますか」って」

そのたびに、町田は生きているか分からないと答えた
そうですか、といって切れて、また一年後にかかって同じやりとりをして

「そこに住んでいるそうです」
「……行けって事?」
「いつでもいいって言ってましたし」
「でも仕事」
「今日は特になさそうなんで」

どうぞ、と促されて話しはおしまい
顔を見合わせて

「「行くか」」

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出雲流夏(プロフ) - てにちゃん!?私のすきなジャンルですよ!!キタコレですよ!!うわぁ、俺得です!!!すごい俺得! (2017年4月24日 17時) (レス) id: 3483900707 (このIDを非表示/違反報告)
出雲流夏(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2017年4月18日 16時) (レス) id: 3483900707 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:由亜菜 | 作成日時:2016年8月28日 16時

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