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岸くんは器用に
ハンバーガーを包んでいる紙をめくり
大きく開けた口に持っていく
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それを見た私は
岸くんに真似てハンバーガーを1口
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『...美味しい。』
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そう言った私に岸くんは
凄く優しく笑う
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「Aちゃんもしかしてさ、」
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ジュースを飲んでいる私に
岸くんは気まづそうに聞いてきた
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「ここ来るの、初めてだったりする？」
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岸くんの質問に一瞬迷った私
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『何回か来たことはあるけど、
注文したことない...。』
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素直にそう言えば
岸くんの眉間に皺がよる
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「がちかぁ。」
『ごめんね、慣れてなくて...。』
「いや、そうじゃなくて！
Aちゃんが普段行くとこにすりゃよかったな。」
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何故か反省気味に答える岸くんは
うーん、と考えてから
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ﾊﾟﾁﾝと手を叩いた
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「9日、俺ら4時間なんだけど
学校帰りどっか行かね？」
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「次はAちゃんの行きたいとこで！」
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そう言って楽しそうに笑う
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次の約束をしてくれる岸くんに
ぎゅっと心臓が掴まれた気がした
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『私その日テストで3時間だから
岸くんの高校まで行くよ。』
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私がぽつりとそう言うと
明らかに動揺し始める岸くん
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「だめ、だめ！！！」
『....どうして？』
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岸くんの目を見て聞けば
そのまま視線を落とされる
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「....から。」
『ん？』
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「他の男子に絡まれたらやだから。」
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そう言う岸くんの耳は
真っ赤だった
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『大丈夫だよ。
....でも、岸くんすぐ来てね？』
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私がそう言うと
岸くんは 命かけるっす、なんて
真面目な顔で言ってくるから少し笑ってしまった
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岸くんの気持ちには気づいてる
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でも何も言わないのは
この関係を崩したくないから
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深くなればなるほど
私の心はかき乱されていく
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逃げられない過去が
今でも脳裏をちらつく
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私は何も思い出さないように
僅かに残っているジュースを流し込んだ
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苺大福(プロフ) - 楼茉（ろま）さん» コメントありがとうございます！共感してくださって嬉しいです！私の両親も過保護で....(笑)私も幸せになって欲しい思いで書いています。お気遣いありがとうございます！！！！ (2020年3月8日 19時) (
レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
楼茉（ろま）(プロフ) - 苺大福さんが書く家庭環境とか、女の子の心情とか。自分に当てはまりすぎててスゴい引き込まれます... 私の場合はただ単に親が過保護すぎってだけだけど笑 主人公の女の子にはどうか幸せになってほしいです(T^T) 更新楽しみに待ってます！ ご無理なさらぬようm(__)m (2020年3月8日 19時) (レス) id: 8e032e81a7 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - ぷーちゃんさん» 指摘ありがとうございます(泣)すみませんでした...。書き直したのでよかったらまた読んでください！！二度手間ですみません...。 (2020年2月10日 17時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーちゃん(プロフ) - こんばんは！携帯が壊れてるはずなのにLINEが送ってることになってます��(ﾟДﾟ) (2020年2月10日 2時) (レス) id: 36fbe17710 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - renchkaさん» ありがとうございます！歌を題材にした方が作りやすいかなぁと思って作って良かったです！廉くんに1票ですね！笑、頑張ります！！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺大福
| 作成日時：2020年1月28日 23時
