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「美味しいね。」
『うん！』
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運ばれてきたパスタを口に運びながら
前に座るお母さんと話をする
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コース料理というのは初めてで
たどたどしい私を見て
少し笑うお母さんとの空間は異心地がいい
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運ばれてくる料理はどれも美味しくて
久しぶりの外食ということもあり
おなかいっぱいになるのにそう時間はかからなかった
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「行きたいところあるんだけど
ついてきてくれる？」
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お昼ご飯を食べ終わってお店を出た時
お母さんにそう言われて頷いた
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隣を歩くお母さんは
鼻歌を歌っていて何やら機嫌がいい
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私はそんな姿を見て
違和感を感じるべきだった
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だんだん人通りが少なくなってきて
怖くなってきた時
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「久しぶり。」
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「A。」
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後ろから聞こえた声
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『っ、.....な......んで.......、』
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私がもう一生会わないと思っていたのに
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『なんで.....っ、』
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「久しぶり、元気だった？
1年半ぶりくらいか。
もう高校生だもんな、A。」
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まるで普通に
何も無かったかのように話すその人は
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私のお義父さん
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お母さんと逃げなきゃ、
そう思ってお母さんの方をむいた時
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その時初めて
お母さんもグルだった、と気づいた
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「大志さんがね、一緒に住もうって。」
『な、に.....、
言ってるの......？』
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私はこの人に最低なことされたんだよ？
お母さんはこの人に裏切られたんだよ？
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そんな言葉すらでなかった
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そこからは意識なんて途切れとぎれ
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無我夢中で
追いかけてくるお義父さんから逃げた
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新しい靴は少し高めだから走りにくくてその場で捨て
裸足のままわけもわからない道を走った
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ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ
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「....もしも、『たす....っ、』え？」
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『助けて、.....岸くんっ、』
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私は、道を間違えた
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苺大福(プロフ) - 楼茉（ろま）さん» コメントありがとうございます！共感してくださって嬉しいです！私の両親も過保護で....(笑)私も幸せになって欲しい思いで書いています。お気遣いありがとうございます！！！！ (2020年3月8日 19時) (
レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
楼茉（ろま）(プロフ) - 苺大福さんが書く家庭環境とか、女の子の心情とか。自分に当てはまりすぎててスゴい引き込まれます... 私の場合はただ単に親が過保護すぎってだけだけど笑 主人公の女の子にはどうか幸せになってほしいです(T^T) 更新楽しみに待ってます！ ご無理なさらぬようm(__)m (2020年3月8日 19時) (レス) id: 8e032e81a7 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - ぷーちゃんさん» 指摘ありがとうございます(泣)すみませんでした...。書き直したのでよかったらまた読んでください！！二度手間ですみません...。 (2020年2月10日 17時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーちゃん(プロフ) - こんばんは！携帯が壊れてるはずなのにLINEが送ってることになってます��(ﾟДﾟ) (2020年2月10日 2時) (レス) id: 36fbe17710 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - renchkaさん» ありがとうございます！歌を題材にした方が作りやすいかなぁと思って作って良かったです！廉くんに1票ですね！笑、頑張ります！！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺大福
| 作成日時：2020年1月28日 23時
