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終礼が終わったとともに
机の中に入っている教材を鞄につめる
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重たい鞄を肩から下げて
席をたとうとしたとき
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「なに、あのイケメン！」
「あれって南高じゃない？」
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"南高"
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その言葉に反応して
窓の外に視線を向ける
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『...っ！』
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姿を見た私は
急いで教室をでた
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『はぁ、はぁ、』
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正門前まで全力で走ったけど
さっき見た姿はどこにもなくて
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心拍数が早い心臓を抑えて
駅に向かおうとした時に聞こえた懐かしい声
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「久しぶり、
...........A。」
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再び鼓動が早まっていく
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ゆっくり後ろを振り返ると
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『......廉、』
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優しい顔をした廉がいた
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ぎこちなく廉の隣を歩く
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通り過ぎていく女の子たちの視線は
一度廉に向けられているのに
本人は全く気にしていない様子
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「おばさん、元気？」
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ずっとお互い無言で
それを破ったのは廉だった
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『......、』
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せっかく話しかけてくれたのに
私の口から出た言葉は
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『ごめん、』
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噛み合わない謝罪の言葉
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『ずっと連絡できなくて、ごめん。』
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もはや謝ることしかできない
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「いいよ、どうせ携帯没収されたとかやろ。」
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私の言葉に
廉は何ともないように答える
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『新幹線乗る前に
ゴミ箱に捨てられて....。』
「....それは災難やったなぁ。」
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昔と変わらない優しい目
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同時に胸が締め付けられる
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『こっち来て新しいの買ってくれたけど
番号覚えてなくて...、』
「新しい携帯は？」
『.....つい最近、お母さんに壊されちゃった。』
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笑って誤魔化す私の頭に
廉は手を置く
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「よう頑張ったな。」
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廉の言葉に
今までずっと耐えてきた涙が溢れてきた
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あったかくて
懐かしくて
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恋しかった廉の存在を噛み締めた
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苺大福(プロフ) - 楼茉（ろま）さん» コメントありがとうございます！共感してくださって嬉しいです！私の両親も過保護で....(笑)私も幸せになって欲しい思いで書いています。お気遣いありがとうございます！！！！ (2020年3月8日 19時) (
レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
楼茉（ろま）(プロフ) - 苺大福さんが書く家庭環境とか、女の子の心情とか。自分に当てはまりすぎててスゴい引き込まれます... 私の場合はただ単に親が過保護すぎってだけだけど笑 主人公の女の子にはどうか幸せになってほしいです(T^T) 更新楽しみに待ってます！ ご無理なさらぬようm(__)m (2020年3月8日 19時) (レス) id: 8e032e81a7 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - ぷーちゃんさん» 指摘ありがとうございます(泣)すみませんでした...。書き直したのでよかったらまた読んでください！！二度手間ですみません...。 (2020年2月10日 17時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーちゃん(プロフ) - こんばんは！携帯が壊れてるはずなのにLINEが送ってることになってます��(ﾟДﾟ) (2020年2月10日 2時) (レス) id: 36fbe17710 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - renchkaさん» ありがとうございます！歌を題材にした方が作りやすいかなぁと思って作って良かったです！廉くんに1票ですね！笑、頑張ります！！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺大福
| 作成日時：2020年1月28日 23時
