別々の空 - Yuta.Kishi -

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『はああぁぁ。』





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お昼休み


私は1人で校舎裏にいた





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午前中の全ての休み時間


クラスメイトは私を囲んできて


何かと話を振ってきて





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私にとっては苦痛の時間でしかなかった





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元々優太と岩橋以外喋った記憶があまりない





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話しかけてくれるのは嬉しいけど


返し方がわからない





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人との協調性がなくて


思った事をズバズバ言う私に


前の学校で話しかけてくる子はいなかった





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優太、


今何してるかな





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ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ





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ブレザーのポケットに入ってた携帯が鳴って


応答ボタンを押すと





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「おう、A！

今電話平気か？」





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愛しい人の声が聞こえた





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『大丈夫だよ、どしたの？』





「あ、いや、用事はねぇんだけど。

最近声聞いてねぇなーって思って。」





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電話越しの優太の声は


語尾が段々と小さくなっていって


照れてるのがわかる





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『そうだね。』





「寂しかった？」





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意地悪に聞いてきた優太





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『うん、寂しかった。』





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私がそう言うと


優太のため息がひとつ聞こえる





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「そんな可愛いこと言うなよ....。」





『聞いてきたのは優太じゃん。』





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そうだけどさ！


そう言ってごにょごにょ喋ってる優太





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照れてるんだろうな


今頃顔真っ赤にしてるんだろうな





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....優太に会いたいな





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「A。」





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そんなことを考えてると


優太の真剣な声が耳に届いた





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「友達、できたか？」





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数秒間の沈黙





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それをNoと受け取った優太は


今度は心配そうな声をする





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「俺がずっとそばに居てやれれば

いいんだけど出来ねぇからさ。


ちゃんとそっちでは友達作れよ？」





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『私は、優太がいればそれでいいもん。』





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優太は少し苦笑しているように感じた





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...でも





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「Aに何かあったら誰が助けんの？」





『優太。』





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「俺だって全力尽くすけど

限界があんだろ？」





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私は


そんな言葉聞きたくなかった





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