別々の空 - Yuta.Kishi -

024 K side ページ24

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Aが今日


大阪に出発する





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駅まで下を向いて歩くAに


どうしようもないくらい


胸が締め付けられる





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それはホームに着いても同じで





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何か話しねぇと、


そう思えば思うほど


俺の脳内はぐちゃぐちゃになっていく





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Aが寂しそうにしてるのに


気の利いた言葉さえ見つけられない





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『俺、本当

ちゃんと待ってっから。』





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そんな端的な言葉しかでてこない





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" まもなく電車が到着します。"





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そのアナウンスを聞いた俺は


黙ったままのAを


扉付近まで連れていく





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電車が近づいてくる音と共に


俺の心拍数は早くなるばかり





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そして


Aの表情は曇っていく一方だった





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彼氏なのに


情けねぇなって正直思う





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扉が開いてAが車内に入り


くるり、とこっちを向く





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「じゃあね、優太。

ばいば『A。』





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ばいばい、





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そう言おうとしたAの唇を


俺は優しく奪った





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その言葉を言われたら


俺たちは終わる気がしたんだ





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でも、終わらせねぇから





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こっちの大学受ける


そう言ってくれたから





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これは別れじゃない


ちょっとした期間の旅立ちだろ？





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一緒の大学受ける


そう言ったから





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大切な約束だから





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絶対、また会えるから


俺達が好きでいる限り





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Aがいなくなったホームに


ぽつんと取り残される俺





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ふと、顔を上にあげる





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もうすぐ年越し





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本格的な寒さなのに


空には雲ひとつなかった





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_____どんなに遠く離れていても


Aの事思い続けるから





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昨日、俺がAに言った言葉





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俺、有言実行する気満々だぜ？





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Aも


そう思ってくれてたら嬉しいな





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今日から俺たちは


別々の空に包まれて日々を過ごす





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でも、ミライはちゃんと


繋がってるからな





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