[続] 私の王子様 2 - Yuta.Kishi -

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優太くんはもう着替え終わっていたらしく


空き教室にはいなかった





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でも体育館までの道にもいなかったから


何処に行ったんだろう？





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優太くんを探しているうちに


着いたのは教室





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ドアが少し空いていて


中から人の声が聞こえる





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そっとドアを開けようとした


私の手を止めたのは





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「岸くん、好き。」





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白石さんの声だった





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震えが止まらない





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見ちゃいけない





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そうわかってても


私の目はドアの隙間から


しっかり優太くんを捉える





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『...っ、』





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2人がキスしているのを見てしまった私は


咄嗟にその場から逃げ出していた





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優太くんと白石さんが離れる前に





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キスした後、


優太くんが何を言ったかなんて聞きたくなかった





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私に触れるように


白石さんにも触れたんだ.....





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きっと優太くんは不可抗力に違いない





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優しいから突き放せなかっただけ





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そう考えれば考えるほど


優太くんの優しさは私を暗闇に突き落とす





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気づいたら校舎裏に居て


もうすぐ舞台始まる時間





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でもこんな気持ちのまま


優太くんが王子様役をしている所を


見る勇気がなくて


私はその場にしゃがみこむ





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目から溢れ出るものは


止まることを知らない





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「....A？」





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私を見つけたのは


廉くんだった





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