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11月の夜は思ってたより寒くて
ブレザーの下に着ているセーターの袖を
少し引っ張る
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帰宅部の私はこんな時間に帰るのは初めてに近く
マフラー持ってきたら良かったな、少し後悔
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「大丈夫だった?」
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私の隣を歩く海ちゃんは私にそう問いかけた
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『うん、何とか細かい所まで出来るようになったよ。
久しぶりすぎて少し動き鈍かったかな?』
「そうじゃなくて、」
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笑って誤魔化した私に
海ちゃんはその後の言葉を飲み込む
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グッと堪えて私と反対側をむく海ちゃんの顔を
私は両手で挟んだ
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『....思ってたより大丈夫だったよ。』
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冷えきった私の掌に
そっと自分の手を重ねた海ちゃんは
いつものあの笑顔に戻っていて少しホッとする
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「良かったぁ。」
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足を少し引きずっている海ちゃんは
いつも通り車道側を歩いてくれる
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それがとても心地よい
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ふと風が吹いて
海ちゃんの髪の毛がなびいた時
隙間から見える目はとても儚げだった
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『海ちゃん。』
「ん?どしたの?」
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パッといつもの目になった海ちゃんは
きっと無理をしている
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怪我をした後悔と
部員たちへの申し訳ない気持ち
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あと、
ダンスがしたいっていう気持ちの押し殺し
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私には痛いほどわかるんだよ
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『私、海ちゃんのダンス楽しみにしてるね。』
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早く治してね、なんて言わない
無理しないでね、とも言わない
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私はただ、
海ちゃんがスポットライトに照らされながら
輝く姿を見たいだけなの
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苺大福(プロフ) - FMYさん» 初めまして!ありがとうございます!!岸くんメインの作品が多いですが.....(汗)ありがとうございます!よろしくお願いします。 (2020年4月11日 16時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
FMY(プロフ) - はじめまして。廉くんとのストーリーきゅんきゅんしながら拝読させていただきました。他の作品も読ませていただきます!これからも頑張って下さい。楽しみにしています。 (2020年4月11日 14時) (レス) id: 489c69e91d (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - りんりんさん» もうすぐ終わりになります...。楽しみにしてくださってありがとうございます!頑張って書いてみます!! (2019年12月8日 13時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福(プロフ) - いろはすさん» ほんまですか!?ありがとうございます!私も書きながらキュンキュンしてます((( (2019年12月8日 13時) (レス) id: 57fd65d360 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん(プロフ) - もうすぐラストでしょうか(;д;)更新楽しみにしている作品で、毎回キュンキュンで最高のお話で泣きそうになってます。これからも廉くんmainの作品楽しみにしています! (2019年12月8日 0時) (レス) id: de7080785b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:苺大福 | 作成日時:2019年11月7日 21時