けいおんぶ！ (ページ47)

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七夕に軽音部のみんなで浴衣着てライブして
バーベキューして
これを青春と言わずになんと言うのだろう

中学の時には想像も出来なかった光景
あの頃とは違って仲間がいる
始まりは仕組まれてたにせよ
今の自分がそれなりに好きなのだ

いたずらに笑う嶺亜さん
これがちっとも嫌じゃないから困る

そもそもこの場所を用意してくれたのは
紛れもなくこの人だから

『あとは女の子の友達が欲しいです！』

嶺｢そこに関しては自分で頑張って！｣

『主に先輩方が原因でスタートダッシュ躓いたんですけど～～』

嶺「否定はできないねｗ」

矢｢ちょっとー！二人とも早く来ないと本当に肉なくなるよー！！｣

『え！？どんな勢いで食べてるの！？やば！ぽんちゃん止めてくる！！』

パタパタパタ…

矢｢……お邪魔しちゃいました？｣

嶺｢そんなことないよ？｣

矢｢あ～怖い！だから呼びにきたくなかったのに｣

嶺｢ジャンケン負けたの？(笑)｣

矢｢ジャンケンも負けたし屋台の買い出しもしてこようかなって。姫のいちご飴もついでに｣

嶺｢矢花は本当に世話焼きだね｣

矢｢…でも俺じゃだめなんですよ｣

嶺｢それは何で？｣

矢｢姫が書いた短冊、見て…｣

嶺｢卒業までに恋人！って、姫も可愛いこと書くよね｣

矢｢見てたんかい…｣

嶺｢姫の字妙に達筆だしすぐわかるからな～｣

矢｢知っててその余裕なんなのかなぁ、はぁ｣

嶺｢ごめんね｣

矢｢そんなニッコリ言われても…敵わないなぁ…｣

嶺｢姫は誰にも渡さないから。みんなには悪いけどもう少し姫の青春に付き合ってもらうよ｣

矢｢俺は諦めてますけど、こんぴーは結構本気ですよ？｣

嶺｢姫可愛いもんね、仕方ないよ｣

矢｢そんな余裕ぶっこいて他のやつに取られても知りませんよ！｣

嶺｢辛辣だな～その時は慰めてよ(笑)｣

矢｢はぁ…もう勝手にして下さい｣

嶺｢あはは｣

ぽんちゃんの暴食を止めてた頃
嶺亜さんと矢花がそんな会話をしてたなんてつゆ知らず

私は私で少し…いや、結構浮かれていた

だってこんな話、嶺亜さんから直接聞いて
浮かれないわけがない
急に照れくさくなって普段の感じではぐらかしちゃったけど

心が猛烈に嬉しいって
あの笑顔が好きだって

今日改めて自分の気持ちを確信することが出来た

それなのに…

数日後には青春も恋愛も信じれなくなる日がくるとは
思ってもいなかった

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