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7. you side ページ7

You side



「ッハァ…ッゴホッゴホッ」


道路の方から何か物音がしたかと思えば、ふいに男の手が首から離れた。


チャンスとばかりに肺が酸素を求めて必死に空気を取り込もうとする。
地面に手をついて呼吸を整えていると、大きな影に覆われた。


心臓が激しく波打つのを感じながら、影の正体を確かめるために恐る恐る顔を上げる。


影の正体に、また心臓が早くなるのが分かった。


サングラスにマスク。帽子から少しだけ出ている髪の毛の色は透き通るような金色。全身黒に身を包み、見るからにガタイのいい男。


あの男の仲間?


最悪の展開が頭をよぎった。



「大丈夫か!?息できないのか?ゆっくり吸ってゆっくり吐け!」


もう大丈夫だぞ、あいつは逃げたからもうここにはいない。
そう言って黒ずくめの男は膝を折って私の側に座る。
荒い呼吸を繰り返す私の背中を優しく撫でる手。


あれ、ほんとだ。いつの間にいなくなったんだろう。
意識が朦朧としていてストーカー男がいなくなったのに気がつかなかった。


助かった…?助けてくれた?味方?


「っあの、わた、し…っ」
「無理して喋んなくていい。とりあえず、落ち着こう、な?」
少し掠れたハスキーな声が耳に響いた。


大丈夫、大丈夫。と繰り返し唱えてくれる声を聴いていると、次第に呼吸も正常になっていった。


落ち着きを取り戻してから、ゆっくりと彼と向き合う。
サングラスを掛けているため、目が合っているのかは分からない。



「落ち着いた?」
「はい。あの、助けていただいてありがとうございました」
「変な声が聴こえたから、嫌な予感がして…顔、殴られたのか?」


彼は眉間にしわを寄せながら、私の顔に優しく触れた。


「えっと…」
「他には?何か、された…?」
「いえ、される前に助けていただけたので」
「そっか、良かった…っいや、良くないけど!全然良くないけど、その、これ以上酷いことされなくてっていう意味で…!」


焦りながら訂正をするその姿に、心の中で安堵する。


良かった、助かったんだ。


そう思うと一気に身体の力が抜けた。

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ソル(プロフ) - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年5月29日 18時) (レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きのさん | 作成日時:2017年4月4日 22時

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