49. jackson side ページ49
Jackson side
「ふぁああ、おはよ…おわっ何!?誰!?」
「ジェク、助けて。死ぬ。殺される」
「A!?殺されるって!?は!?」
伸びをしながらリビングに出ると、背中に小さな衝撃受けた。
突然のことに驚いていると、背後から朝には似つかわしくない物騒な言葉が飛んでくる。
何事かと問い正そうにも、俺の背中にぴったりとくっ付いて離れないA。
殺されるって、誰に?
てか何から隠れてんの?
明らかに自分を盾にして何かから必死に身を隠している様子のA。
視線を前に移すと、ケラケラと犬歯をむき出しにして笑うマクヒョンがいた。
「マーク、こいつに何かしたの?」
「別に、仲良くしようって言っただけ」
「それが何で“殺される”になるわけ?」
「それについては俺もよく分かんない」
なんじゃそりゃ。
これは本人に聞かなきゃ埒があかないな、と俺の腹の辺りの服をギュッと握るAの手に自分の手を被せる。
「A、」
「中国語、だよね?さっきの。ごめん、分からなくて」
落ち着かせるように手をぽんぽんと叩けば、申し訳なさそうに後ろから問いかけてくるA。
マクヒョンと話すときは中国語が一番伝わりやすくて楽だから、その癖が出てしまった。
「殺されるって言ってるから、Aに何したのって。そしたら分かんないって」
「うん、分からないと思う。とりあえず、マークさんは悪くない」
「マーク、でしょ?」
「…ジェク、やっぱり悪かった」
なんとも言えない呻き声を上げるA。
その様子を見て、またお腹を抱えて笑いだすマクヒョン。
俺寝起きなの!全然頭起きてないの!
俺を置いていかないで!
「何!?マクヒョンが悪いの!?何なの!?」
「マー、ク…は悪くなくて、たぶん私が悪いんだけど。いや、でもマークも悪いよね」
言いずらそうにマークの名前を呼びながら支離滅裂なことを話しだした。
「え、何?つまり何?」
「つまり、わたし、マークの顔に弱いみたい」
「は?」
服を掴む力が弱まったので後ろを振り返れば、苦々しそうに呟くA。
「特に笑顔。笑顔に弱い」
つまり、マークの顔がタイプだってことか?
それがしんどいと?
「なんだそりゃ…」
「どうしよう…今までかっこいい俳優さんとか見てもドキドキしなかったのに」
「俺、褒められてる?嬉しい」
耳を赤らめて無邪気にニコニコと笑うマクヒョンに、またもや後ろから小さな悲鳴が上がった。
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ソル(プロフ) - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年5月29日 18時) (レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのさん | 作成日時:2017年4月4日 22時