48. you side ページ48
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「シャワー空いたよ。何喜んでんの?」
戻ってきたマークさんが喜んでる末っ子たちを見て、首を傾げて問いかけてきた。
「Aヌナと仲良くなったんだよー」
「ねー!ヌナー?」
「わ、ヌナって初めて呼ばれたかも」
「え!ほんとっ?僕たち初めてのヌナ呼びなの?」
「やったね!ベム!」
韓国に来てから年下と関わっていなかったし。
ヌナ呼び新鮮。不思議な感覚…。
「ん、良かったね。早くどっちかシャワー浴びてきな?」
「お、そうだった!」
「じゃあ僕も顔洗ってこよー」
喜ぶ2人に微笑みながらさりげなくシャワーを促すマークさん。
一番年上らしいし、下の子の扱いが分かってるんだなぁ。
ベムとユギョムがバタバタとお風呂場に向かって行くのを眺めていると、いつの間にかマークさんが隣に腰を下ろしていた。
そして何故か私の顔を無言でジッと見つめてくる。
薄い茶色がかった髪からポタポタと雫が落ちている。
水も滴るいい男…
というか、髪乾かさないのかな。
脱色してそうだし、ちゃんと乾かさないと大変なことになりそう。
「ねぇ」
「は、はい」
「俺とも仲良くなろっか」
「…え?」
スッと距離を縮めてきてふわりと笑ったマークさん。
その笑顔に心臓が締め付けられる。
「仲良く、とは?」
「んー、言葉の通り?」
みんなばっかりズルイ、と言って頰を膨らませ口を尖らせる彼。
またドクンと心臓が波打つ。
ズルいのはどっちですか。
「マークさん、」
「マーク」
「あの、」
「マーク」
子どもに言い聞かせるような優しい声色。
低い音が心地よくて、妙に甘ったるい。
「マー、ク」
「ん。良い子」
そう言って彼は目を三日月のように細めて私の頭をポンポンっと軽く撫でた。
死ぬ。これは殺される。
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ソル(プロフ) - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年5月29日 18時) (レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのさん | 作成日時:2017年4月4日 22時