44. you side ページ44
You side
根負けして名前を呼べば、満足そうに顔を綻ばせた目の前の彼。
そんな可愛らしい顔も出来るんだね。
ちょっとだけキュンとしちゃったよ。
がしかし、気になるのは依然として彼の両手の中に収まる左手。
彼のあまりの変貌についていけなくてされるがままだったけど、もう負けない。
ガツンと言ってやるんだ、わたし。
「だから、手を」
「いつのまにそんなに仲良くなったの？」
「うわぁ」
一泡吹かせてやろうと息巻いていたら、第三者によって遮られた。
突然の刺客に変な驚き方をしてしまった。
ああ、これは弄られるかな。
セーフ？ぎりセーフ？
チラリと意地悪な彼の様子を伺うと、案の定肩を震わせていた。
「『うわぁ』」
「…真似しないで」
「棒読みすぎない？本当に驚いてる？『うわぁ』って」
いよいよ本腰で喧嘩を買うときがきたみたいだね。
時は満ちた。よろしい、ならば戦争だ。
そのニヤケ顔を恐怖の色に染めてやろう、と空いている方の手で拳を握っていると、ふいに肩をトントンと叩かれた。
「俺のこと無視しないで？」
振り返れば、先ほど私の覚悟を遮った張本人、マークさんが困ったように笑っていた。
「あ、いや…無視したわけじゃなくて」
「凄く仲良しになってるね？」
そう言って目線を下に移すマークさん。
目線の先にはジニョンに掴まれた私の手が。
「そうなんだ。僕たち意気投合してね。ね、A？」
「うーん？とりあえずこの手を離そうね？」
ニコニコと笑顔を貼り付けて同意を求めてくるジニョンに、同じような笑顔を貼り付けてお返しする。
あ、ごめんごめん、と今気づいたかのような反応をして手を離したジニョン。
なんてわざとらしいの。
いや、これ以上言ったら思う壺な気がしてきた。
やめよう。
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ソル(プロフ) - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます！ (2017年5月29日 18時) (
レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ！違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのさん
| 作成日時：2017年4月4日 22時
