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40. jinyoung side ページ40

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ぽろっと口から溢れた言葉は、少しだけ棘を含んでいた。

それにもかかわらず、僕の皮肉を聞いた彼女の口角は上がった。



結構分かりやすい皮肉だったと思うんだけど。
なんでそんな良い笑顔なの。


彼女に優位に立たれている気がして焦燥感にかられる。




「一応皮肉ったつもりなんだけど、そこで笑うのは変じゃないかな?」
「あ、笑ってました?すいません、嬉しくて」
「嬉しい?なに、マゾなの?」
「違います」




笑うのをやめない彼女にイライラが積もっていく。
眉間に皺が寄るのがわかる。



「してやったりって思って」
「は?」
「優しい仮面を被っていたみたいですけど、結構剥がれてますよ?」




悪戯が成功した子どものように口元に手を当てて笑うAさん。
なんとも言えない敗北感が心を支配する。




もういいや、開き直ろう。





「じゃあ綺麗事抜きにするけど、僕たちとあわよくばそういう関係に、って気持ちある?」

「ないですね」
「嘘」
「えええ、じゃあ何てお答えすれば満足なんですか」




何て言われたら満足、か。




「やましい気持ちがある、とか」

「それもう質問する必要ないですよ。勝手にそう思っててください」
「本人の口から聞かないと断定できないでしょ?」
「うわ、無理やり言わせるつもりですか」


呆れた、と呟いてそっぽを向いてしまった。



何、その反応。
まるで僕が駄々をこねているみたいじゃないか。

いや、まぁ実際そうだけど。




彼女と話していると、疑っている自分が馬鹿馬鹿しくなってくる。




たぶん、Aさんは悪い人じゃない。
薄々気づいていたけど、ジェクの勘が正しいんだと思う。



でも、いざそれを認めたとして、どう伝えたらいいんだろう。



君のこと疑ってたけどやっぱり違ってたみたい、なんて。



間抜けだよなぁ。





「そもそも家政婦なりたくないって言ってるんですから、近づく気なんてないって思いません?」
「それも含めて演技かもしれないでしょ?」
「はぁ…そんなことまで考えるんですか。アイドルって大変なんですねー」



疑心暗鬼になりそう、と呟いて嫌そうな顔をするAさん。



簡単に人を信用してはいけない。

そんなのこの世界に足を踏み入れたときから覚悟してたことだ。

このグループで僕がそういう役回りになることも分かってた。



「もう慣れたよ」



いつもの笑顔を貼り付けて、吐き捨てた。

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ソル(プロフ) - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年5月29日 18時) (レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きのさん | 作成日時:2017年4月4日 22時

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