31. mark side ページ31
Mark side
ジェクの必死の説得に彼女は黙って頷いた。
ジェクの勝ちだ。
先ほど目の前で繰り広げられていたジェクと彼女の攻防戦。
あの時から俺はジェクの勝利を確信していた。
ああなったジェクには誰も勝てない。
よく分からない持論を展開して、話が通じないから。
それにしても、さっきの攻防戦は本当に愉快だった。
戸惑いながらジェクを説得しようとする彼女と、YESという言葉しか認めないという雰囲気のジェク。
思い出すと今でも笑える。
あの人もジェクに気に入られて大変だ、と彼女の様子を伺う。
本当にありがとう、と顔を破綻させて喜ぶジェクに手を掴まれブンブンと振り回されている。
日本人、ってマネヒョンが言ってたけど。
流されやすい性格なのかな。ジェクにされるがままだ。
そんな姿にまた口角が上がる。
「で、でも」
「ん?」
「私が良くてもダメなんじゃ…家政婦を雇うのは、ジェクじゃないでしょ?」
あ、少しだけドヤ顔してる、のかな?
この後に及んでまだもがこうとしている彼女。
「やっぱり難しそうだし、この話はなかったことに…」
「マネヒョン!」
「あー、明日会社に報告してみる。たぶん社長と面接してもらわなきゃいけないし」
「俺も一緒に話す!俺、明日午前空いてるし!」
「え、えっ」
驚愕している彼女。
縋るようにマネヒョンを穴が開くほど見つめている。
「Aさん。明日は空いてますか?」
「あ、はい。あ、いや…」
「よし!決まったなー!」
はい、と答えた後明らかに、やってしまったという表情をした彼女。
素直に答えすぎでしょ。嘘つけないの。
心配すんなって!俺も付いていくから!と肩を落とした彼女に声をかけているジェク。
ジェク、違うよ。
その人が落ち込んでいる理由はたぶんそれじゃない。
ああ、大丈夫、うん、と遠い目をして答える君を見て声を出して笑った。
隣のジニョンが不審げに見てくるけど、気にしない。
ジェクが面白い人を拾ってきた。
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ソル(プロフ) - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年5月29日 18時) (レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのさん | 作成日時:2017年4月4日 22時