検索窓
今日:5 hit、昨日:11 hit、合計:170,570 hit

20. you side ページ20

You side



俯いてしまったジェクスンさんを、内心焦りながらじっと見つめる。


余計なお世話だったかな。
そりゃそうだよ、だって今日初めてあった赤の他人だもの。

しかも、彼にしてみれば“ストーカー被害にあってるんですー”とかいうよく分からない外国人の女だ。
そんな奴に知ったような口聞かれるなんて、不快以外の何物でもない。

善意で助けていただいたのに、恩を仇で返すような真似をするなんて。

謝罪だ。早急に謝らなければ。



「あの、」「なぁ」
「っはい!」



思いつく限りの謝罪の並べようとした矢先、ふいに声をかけられて言葉を飲み込んだ。
依然として、下を向いたままの彼の表情は読み取れない。




「つかれた」

「は、い」

「毎日毎日、朝早くて、なのに夜は遅くて。寝るためだけに家帰ってる、みたいな。」
「はい」

「ソロの仕事ばっかりで、同じ家に住んでるのに、メンバーと顔合わせない日も多いし」

「どんなときでも、元気で明るいのが俺だから、笑ってないといけないし」

「なんか、ぜんぶ、つかれた」


ぽつり、ぽつりと溢れ出した彼の本音に耳を傾ける。



私は彼が身を置いている世界を知らない。
芸能界なんて私が想像するよりも遥かに過酷な世界なんだろう。

そんな私が言えることなんて何もない。それこそ、野暮ってもんでしょう。



目の前でしゅんとしている頭にそっと手を伸ばした。
キラキラと輝く金色の髪を撫でると、サラサラと指の間をすり抜けていった。


あ、脱色しているのに思ったより指通りが良くて気持ちいい。
さすがは芸能人。手入れがしっかりしてる。


優しく頭を撫でていると、彼がゆっくり顔を上げた。


ようやく、クリクリとした黒い瞳と視線を交えることができた。
濁りのない澄んだ水のような目に、密かに安堵する。



「ヒヒヒ、あんがとな。元気でた!」
「いえいえ、どういたしまして」



三日月のように目を細めて笑う彼に、自然と頬が緩んだ。

21. jackson side→←19. you side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (104 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
183人がお気に入り
設定タグ:GOT7 , got7   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ソル(プロフ) - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年5月29日 18時) (レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きのさん | 作成日時:2017年4月4日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。