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19. you side ページ19

「…アイドルって、疲れたー、とか言っちゃダメなんですか?」

「…え?」

「家とか、プライベートな空間でもニコニコしてないとダメなんですか?」


大変だなぁ、と腕を組んで考え込む彼女に目を丸くする。


そんなことない、と返したいのに口に出せない自分がいる。



ふいに彼女が顔を上げた。



「どうして無理して笑うんですか?疲れてるのに疲れたって言わないんですか?」
「それは、みんなが心配するから…」
「周りが心配するから、ジェクスンさんが無理するの?」
「…これだから売れた人間は、とか、変わったとか言われるし」



バカ正直に答える自分に内心笑ってしまう。
でも、彼女の真っ直ぐな眼差しの前では、嘘をつく気にはなれなかった。



「ジェクスンさん、今、ここには誰がいますか?」
「え?」
「ここには誰がいますか?」

「You?」


突然何を言いだすんだ?


「私と?他には?」
「…and I?」
「他には?」
「急に何言ってるんだ?俺とお前の他に誰がいるって言うんだよ。幽霊でも見えるのか?」


奇妙な質問に困惑しながら答えると、彼女はふふ、と笑った。



「そうですよ。ここには私とジェクスンさんしかいないです」



当たり前のことを得意げに言う彼女。
その意図が分からなくて顔をしかめる。



「ジェクスンさんが笑顔じゃなくても心配する“みんな”はいないし。疲れたって言っても、あいつは変わったなー、なんて言う人いないんですよ」



私、ジェクスンさんのbefore知らないから変化なんて分からないですもん、と可笑しそうに笑う彼女に目を見開いた。



「職業柄、本音を隠さなきゃいけない場面は多いでしょうね。でも本音を出せる瞬間だってあるんですよ。少ないかもしれないけど確かにあるんです」



例えば、今とか。と呟いて微笑むその姿に胸の奥が暖かくなるのを感じた。

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ソル(プロフ) - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年5月29日 18時) (レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ!違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きのさん | 作成日時:2017年4月4日 22時

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