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やっぱりな…。とカイコクはこの娘の名前を聞いて確信する。
『銀翼の大鷲』の団長のところかぃ…
そして王族だの下民だの、関係あるだの、ないだのと心底どうでもいい言葉のキャッチボールを聞いていた。
どんどんエスカレートしていくので、カイコクは呆れたように目を瞑って、
「はァ〜〜」と溜息をつきながら番傘で肩をトントンとイライラを表すように叩く。
「お前らいい加減に…「魔力の差で黙らせるしかないようね」…おいおい」
ノエルという娘はこちらに魔法を放とうとしていた。
「(水属性か…)」
カイコクにとってノエルの魔力量は確かに凄いが驚くほどではない。王族なら普通だ。
だがカイコクは疑問に思う。何故シルヴァ家の娘がこの団にいるのか。王族ならばもっと上の団に行くはずだ。
「身の程を知りなさい」
そしてこちらに向けて放つ。
ーー考えられるのは、何かしら欠点があると。
向き的にもアスタに当たると思われたが何故か急カーブをしてマグナに激突。俺ァ濡れないように番傘を開いて防いだ。
「(なるほど…魔力のコントロールか)」
ずぶ濡れになったマグナはよろよろと立ち上がり、
「このォアマァァ、いい度胸してんな〜…
先輩に何しやがるテメェェェ!!」
「オイやめっ「貴方の立ち位置が悪いのよ。誰の許可を得てそこに立っているの」」
「アァ??俺は先輩だぞ!?」
「私は王族よ!!」
「王族だか『銀翼の大鷲』団長妹だか知らねーが…」
「だからうるs「テメーみてぇなじゃじゃ馬引き受けてくれんのはヤミさんだけだからなァァァ!」…………ブチッ」
この時アスタはカイコクから嫌な予感がする音が聞こえた気がした。
カイコクは色とりどりの霧のようなオーラを纏った番傘の先を天井に向ける。
刹那ーーーー
パァァン!!!
それは銃声のような音。そして天井に空いた穴からは空が見える。1番上まで貫通しているようだ。
そして今、カイコクからは思わず竦むほどの魔力がビシビシと周りの者の肌に突き刺さる。
「ひいぃぃぃっ…」
「っ!」
「やべっ…」
カイコクはゆっくり傘をおろし、三人に有無を言わさない程の据わった目で一言。
「おめェら…黙れって言ってるんでェ」
「「すみませんでしたぁぁぁぁ!」」
「……っ」
マグナは普段カイコクには呼び捨てだったりタメだったりと、友達感覚で接している。カイコク自身、先輩後輩気にしてないという理由からだ。
だが、この時は自然と口が敬語で謝っていた。
怖いから。
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レイ - 箒が放棄になってますよう (7月20日 14時) (レス) @page16 id: 27b30402b9 (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - きのさん» はい!楽しみにしてます!でも無理しない程度にしてきださいね? (2018年7月19日 16時) (レス) id: 9f5ed6db60 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - コメントありがとうございます。ナカゲノのカイコクさんかっこいいですよね。更新頑張ります! (2018年7月18日 9時) (レス) id: aa1d5f41b1 (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - カイコクさん、カッコいい!面白いです!ナカゲノもブラクロも好きな私には堪りません。更新頑張ってください♪楽しみにしてます! (2018年7月17日 2時) (レス) id: 9f5ed6db60 (このIDを非表示/違反報告)
@ - オリジナルフラグを外さないなら違反報告するまでだ。ルールを理解する気も守る気もないなら作品なんか作んな (2018年6月24日 13時) (レス) id: 3cfe8e2fd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きの | 作成日時:2018年6月23日 2時