【原神】恋に落ちたその日から【ディルック】 (ページ22)

今日:9 hit、昨日:16 hit、合計:27,803 hit

恋心ページ22

かっと熱が出たかのように熱くなり、ディルックの姿が目に浮かぶ。

バルバトスは「よし！」と言うとAに身を乗り出した。

「早速想いを伝えに行こう！」

『無理無理！そんな事出来ない！』

Aは物凄い勢いで拒否した。

『それは人間だったらの話。…私は神だから、そんな事出来ない。許される事ないんだから…』

「許す許さないなんて誰が決めるの？」

『え…？』

バルバトスはにこっと笑った。

「Aは固くなりすぎなんだよ。もっと柔軟に考えてみて？神が恋に落ちるなんて、珍しい事じゃないと思うよ。」

そんなバルバトスの言葉にAはぽかん…とする。

『…バルバトスってこうやって優しいところあるんだね。』

「当たり前だよ。僕はAの友人だからね。」

『…気持ち、伝えてみる。…だけど、』

「だけど？」

『私ディルックさんにひどい事をしてしまったんだよ。それに貰ったネックレスまで失くしちゃうし…』

「大丈夫。謝ればあの子なら許してくれるよ。それにほら。」

バルバトスは窓の方へ行くと外を指差した。

「オーナーは外で待ってるよ。」

『え？！』

Aは大きな声が出てしまい口を塞ぐ。

そしてそろりと窓から外を覗いた。

宿の入り口にはディルックが立っており、誰かを待っている様子。

『もしや宿の場所教えたんじゃ…』

「そんな事しないよ。きっとオーナーはAの事を探したんだと思うな。」

『なんて話せば良いか分からないよ…』

「Aならなんとかなるよ！それに、僕がオーナーのところまでついていくから。」

『ありがとう。バルバトス。』

バルバトスは立ち上がったAを見て嬉しそうに微笑んだ。