【原神】恋に落ちたその日から【ディルック】 (ページ14)

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酔いは覚めずページ14

「……お嬢さん、あとは任せた」

『……？』

ガイアは午後の死を堪能しながら飲む。

その後、客足は徐々に時間が経つと減っていき、最後はガイアだけとなった。

「今日も美味かったぜ。また来るとするか」

「………お帰り願おうか」

「はは。じゃあ、またな」

バタン……と扉が閉まった。

Aはふぅと一息つく。

『エンジェルズシェアはとても繁盛していますね。良い経験をさせてもらいました。ディルックさん、本日は……え、ディルックさん！？』

ドサッと地面にふらつくように座り込むディルック。

Aは駆け寄りディルックのそばにしゃがんだ。

『大丈夫ですか！？いや、大丈夫じゃないですよねどうしたら……まさか、ディルックさん酔われて「僕は、酔ってなんかいない……」

するとディルックはAの手に頬を寄せる。

「冷たい……」

『え、ま、』

Aはばっと立ち上がった。

『み、水！』

Aはすぐに水を用意するとディルックに飲ませた。

『……少し落ち着きました？』

「ん……」

その時だった。

天井がひっくり返ったかと思いきや。

『……！』

「A……君は……」

背中には何故か床、目の前にはディルックがいる。

「ずっと密かに探していた……僕は、あの時から君の事が……」

近すぎやしないかとAはディルックの肩を持ちおさえた。

『ディルックさん結構酔われていますよね？……今日は早く寝ましょう！』

Aはどこからそんな力が出るのかディルックを押し退け、そして担いだ。

テキパキとエンジェルズシェアの三階まで運び、ディルックを寝かせる。

「A……」

『しっかり寝てください！』

無理やり寝かされるディルック。

『もしかして働き過ぎもあるんじゃ……』

Aはディルックの目を隠し、そっと眠らせた。

そしておでこに手をやり、ほんの少し神の力を分け与える。

するとスッと何事もなくディルックは深い眠りに落ちた。

───僕は、あの時から君の事が

『先程の言葉は一体どういう……』

真っ直ぐAを見ていたディルック。

その目が脳裏に焼き付いて忘れられない。

『……？』

Aは徐々に顔が熱くなるのを感じた。

『今日は沢山働いて汗かいたのかな……』

Aはまだ、その気持ちに気付いていなかった。