偶然が生み出すもの ページ8
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人生とは、上手くいかないものだ。
「……………」
「……………」
木曜日の帰り道、私の隣には何故か、先日もう関わらないと心の中で誓った相手がいた。
偶然帰りに会ってしまった私達は、バイバイの一言を言うタイミングを失って成り行きで並んで歩いていたのだ。
駄目だ、気まずい、話すことがなにもない。
周りの目線も気になってしまう。
早く駅に着かないか、そればかり考えていたら
「あの…………さ」
十字路に差し掛かった時、川村くんはピタリと足をとめて口を開いた。
「………どしたの？」
「Aちゃん、今から時間ある？」
予想してなかった言葉にパッと顔をあげると、川村くんは何故か期待と不安が混じったような表情でこっちを見ていた。
「…………寄り道しない？」
その表情を見て、私は気持ちとは裏腹に反射的にコクコクと頷いてしまっていた。
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「……こんな道、あったんだ」
「そ、たまたま寄り道したら見つけた」
道を少し逸れただけなのに、いつもの騒がしい通学路とは一変、生活音が聞こえてきそうな住宅街が目の前に広がっていた。
「1人になりてーって時、ここから帰ってる」
「………そうなんだ」
1人になりたい時の帰り道に私を連れてきていいのだろうか、と不安になる。
それに、人気者も1人になりたい時があるんだな。
改めて川村くんをチラリと盗み見ると、確かに女子がほっとかない顔立ちだと納得する。
華やかなオーラを纏っているけれど、それとは反対にこんな住宅街も似合ってしまうような、どこか不思議な雰囲気を持っていると感じた。
なんだか横を歩くのが申し訳なくなって、1歩だけ川村くんと歩幅をずらした。
何か話さなきゃ、と辺りを見渡すと、ふと、公園に咲いている鮮やかなピンクに目が止まった。
「…………あ、ツツジだ」
私の小さな一言を川村くんは聞き逃さず、2人で同じタイミングで足をとめた。
「ほんとだ、久々に見た」
花壇の高さに合わせて自然と2人でその場にしゃがむ。
色んな人の幼い頃の思い出に存在するこの花に、私も例に漏れず懐かしさを憶える。
「小さい頃、これみんな口にくわえてたなぁ」
すると、私の何気ない思い出話に、突然、
「……Aちゃん、知らねーの？」
川村くんは声のトーンを少し落とした。
「え…………何が？」
急に暗くなった川村くんの表情に心がざわつく。
「ツツジって、毒持ちだよ」
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しおり(プロフ) - このお話とってもすきです！続きも楽しみにしています！ (2020年2月9日 20時) (
レス) id: f2d61f7afd (このIDを非表示/違反報告)
kino.(プロフ) - さくさん» コメントありがとうございます(><)！そんな風に受け取っていただけて嬉しいです（ ; ; ）いつものろのろとお待たせしてしまって申し訳ないのですが、これからも見ていただけますと嬉しいです（ ; ; ） (2020年1月5日 14時) (レス) id: ee69af6f8c (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - はじめまして！壱馬くんと主人公ちゃんのやり取りが可愛すぎます！この作品大好きです！更新大変だと思いますが、陰ながら応援しています！失礼しました！ (2020年1月5日 8時) (レス) id: 67f82f89a4 (このIDを非表示/違反報告)
kino.(プロフ) - も。さん» コメントありがとうございます！そんなふうに言っていただけて凄く嬉しいです（ ; ; ）とてもお待たせしてしまうと思いますが、更新頑張りますのでお時間あります時に覗きにきていただけると幸いです。温かいお言葉にお応えできるように頑張ります(^^) (2020年1月5日 0時) (レス) id: ee69af6f8c (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - 初めまして！大学生の設定ですがアーティスト本人の性格がとんでもなくそのまま出ていて、大学生らしい展開にいつも悶えながら読ませてもらっています！無理せずにご自身のペースで更新頑張ってください！本当に大好きなお話で沢山読み返させて頂きます！ (2020年1月4日 22時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kino. | 作成日時：2019年12月13日 21時
