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〈N side〉
「豆腐とネギ切り終わったよ、次何する？」
すぐ隣に立ってるのに、おれの声は全く届いてない。
「まーくん！」
「へっ？…あ、ごめん！なんて言った？」
…まーくんがおかしい。
こういうのなんて言うんだっけ。
「次何したらいい？って聞いた」
「もう切り終わったの？早いね！さすが和ちゃん！………えーっとね、じゃあ次は…」
あ、思い出した。
「まーくん心ここに在らず、だよ。そういう時は危ないから料理しちゃだめって、まーくんが教えてくれた、のに…」
初めて見るどんよりしたまーくんがただ心配なだけなのに、責めるような言い方になってる気がして、途中で言葉を切ってしまった。
目をそらしてまな板の上のネギをいじり始めたおれの頭に、大きな手が優しく乗せられる。
翔ちゃんとはちょっと違う。違うけど安心する、おれの好きな感覚。
「そうだよね、ごめんね和ちゃん。それから、心配してくれてありがとね」
まーくんはいつも通りの太陽みたいな明るい笑顔になった。
そして今までずっと、おれの前ではその笑顔を崩さずにいてくれたこと、そのおかげでどれだけ自分が安心できていたかを改めて感じた。
それから、だからこそ今まーくんはものすごくつらいんだってことも。
「…ニーナがさ、本当の気持ち教えてくれないのがつらいんでしょ？」
チラッとまーくんに視線を向けると、なんで分かるの？って顔に書いてある。
「でもそれって、まーくんが頼りないからとか、迷惑かけたくないからとか、…本当の、パパじゃないからとか…そういうのじゃないよ」
『言葉を選ぶ』っていうことがおれはまだ難しい。同じような意味の別の言葉がすぐには浮かばないし、どんな言い回しが適切なのかなんて全然分からない。
だけど、いつもみんながしてくれるみたいに、おれもみんなの力になりたい。
まーくんがいつも言ってくれてたみたいに、おれもまーくんに『大丈夫だよ』って言ってあげたい。
「和ちゃん、それ、なんで…ニーナが…？」
「うん、この前聞かれた。『まぁくんとわたし全然似てないよね？親子に見えないよね…？』って。その時はおれ、ニーナがなんでそんなこと聞くのか分かんなくて、『見た目は似てないけどでも親子にしか見えないよ』って答えた」
まーくんの瞳がゆらゆら揺れるのを見て、自分の方が先に泣いてしまいそうだと思った。
「そしたらね、ちょっとびっくりした後、ニーナうれしそうに笑ったんだよ。『わたしもそう思う』って」
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櫻宮 - もうニーナぁぁぁなんて健気で純粋なんだ君は。櫻宮感動して涙が止まらないよ°･(ノД`)･°･まぁくんに全部話してほしい。と切に願う櫻宮でした！続き気になる！ (2022年2月4日 17時) (
レス) @page9 id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
希乃(プロフ) - 櫻宮さん» いつもコメントありがとうございます…！かなり遅くなりましたが、、もう少し進められるように頑張りますm(_ _)m (2022年2月2日 0時) (レス) id: b8e9a4bb02 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 移行おめでとうございます！先が読めない展開になってきましたね(^^;)続き楽しみです！ (2021年9月8日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：希乃 | 作成日時：2021年8月29日 17時
